06/4/27 シアター・トップス明日図鑑「岸辺の亀とクラゲ」
岡町高弥
絹の舞台で見て以来、ずっと気になっていた、「明日図鑑」の新作「岸辺の亀とクラゲ」をようやく見ることができた。
ごく平凡な中学の英語教師さゆりの日常で奇妙な事件が次々と巻き起こる。
スーパーで万引きした主婦(大久保佳代子)や2階に住む怪しい男が酔っ払ってさゆりの部屋に迷い込んでくる。
潔癖症のさゆりの神経が侵されていく。
やがて、すべては巧妙に仕掛けられた教え子の罠だということがわかる。
最後まで見事な伏線を張って観客を引っ張っていく。ラストの仕掛けもスリリングだ。
もっと軽い芝居をするのかと思っていたら、どうしてどうして緊張感溢れるサスペンスを見せてくれた。
日常に潜む「悪意」の切り取り方がうまい。
大久保佳代子、谷川昭一郎の自然体の演技も不気味でよかった。
「明日図鑑」はあなどれない。
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