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2015年11月19日(木曜日)
(その39)つつかれに、笑いのドリル「渦」にふらっとね。
 
 こんにちは。さあ、ラスト。相変わらずのギリギリ入稿になりました。この30年、巷のライブはますます多士済済、体が一つではとても追いつきません。この時代に、この日本で、この東京で、自分のキャリアや年齢やタイプや周りの環境を鑑み、時に応じてせめてできることは何かと考え続け動いてまいりました。何かしら役に立たないとと。
 
 さて、この連載、どうだったんでしょうねえ。タイトルに込めた願い、誘ったり誘われたり習慣が少しは広まったかなあ。この習慣をつけとかないといざという時どうにもならない。体力と繋がりさえあればなんとかはなる。笑いのいろんなタイプを許容することから始めて、争いのなくなる方向へ行けばいいなあ、って奥底で思っていて。あの人許せない、と思ってもその人の成育環境を知ると、そうかそういう風に思うのは当然だよなあ、とまずは受容して笑えたりする。そういう生き抜く技術みたいなものを入手しないと、私の場合はやっては来れませんでした。イライラするの損じゃん。自分で病気つくるの悔しいじゃん。世界の動きを見ていて、結局、頑なな頭を笑いで柔らかくして、いろんな価値基準をまずは知ることからしか始まらないんじゃないのかな、って。
 
 そこで、渦。三々五々、あちらこちらからやって来るお客様をお迎えして、、とここまで書いてきて、渦の場合は出演者もスタッフさんも観に来る人も、お客様というより、渦参加者と呼んだ方がふさわしいような気がします。入場料と云う名の経費を払ってもらって、それをみんなで分配してなんとかかんとか成立してる小さなライブ、渦。
 
 とにかく来てみなきゃわからない、こっそり覗き見してみましょう。説明下手を最後に白状する誘い下手です。ちょうどよかった方々はふらっと出かけてみるってな大人スタンスで是非どうぞ。あなた、ちょっとつつかれることでしょう。
 
 森田真生著「数学する身体」からこんな言葉を拾いました。「人は何かを知ろうとするとき、必ず知ろうとすることに先立って、すでに何かを知ってしまっている」
 
 そうなんだ! だから説明しようとすると、説明した端からそうじゃないそうじゃないという思いがこみ上げてきます。知ってる人は最初から知ってるのね。くどく言わなくても。野暮ったいよね、説明って。ではまたいつかどこかで
 
 
■「渦36」 2015年11月20日(金)~23日(月祝) 7公演
 
日替わりジャンルシャッフル下北沢渦和えライブのはじまりです。
わけありくせありこっそり大人芸。
誘う楽しさ、誘われる嬉しさ。
コント、マイム、音楽、歌、絵、落語、大道芸、漫談、音曲~
ジャンルを超えてエトセトラ
 
●予約問合
メール:件名「渦36予約」 uzumarishiro@icloud.com
電話:03-5856-3200(渦産業)
 
公演渦名、日にち、お名前、枚数、折り返し連絡先を明記、もしくは留守電吹き込みよろしく。
(※メール予約の場合、返信PCメール受信を可能な設定にしておくか、電話番号明記よろしく!)
ゆるゆる随時受付
※急な出演者変更御容赦。
 
●料金:ナギ渦2500円、他は3000円/自由席/予約者優先入場
当日受付開始は開演1時間前、開場は開演30分前
 
●会場:しもきた空間リバティ 03-3413-8420
(下北沢駅南口、マクドナルド左下る、ABCマート4F)
 
■ナギ渦    11月20日(金)19:30開演と11月21日(土)14:30開演
 「ナギプロ・パーティ 約10周年記念特別ライブ『ナギプロ・パーティ ベストヒット20』」
■鉄渦     11月21日(土)19:30開演
 寒空はだか、ダメじゃん小出、古今亭駒次
■喋り渦    11月22日(日)14:00開演
 松元ヒロ、山田雅人、林家彦いち
■ゆる渦    11月22(日)19:30開演
 立川左談次、小林のり一、キン・シオタニ、瀧川鯉八、ラブリー恩田
■えり渦    11月23日(月祝)14:00開演
 ぺぺ桜井、だるま食堂、加納真実、シルヴプレ、恩田えり
■ナオキチュ渦 11月23日(月祝)19:00開演
 ナオユキ、松尾貴史(キッチュ)「落語とトークの夕べ」
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
爪切り器を新しくしたら加減が狂って身を切っちゃった人を  300
医院を3軒掛け持ちしてくたびれてる人を  150
カラオケしか遊びを知らない人を  200
バラエティという言葉が安くなったなあ、とお嘆きの貴兄を  130
結婚離婚を考えてる相手を  170
 
 
【リンク】
・笑い&落語ライブ情報付き「まりしろ」はこちら
・渦ファンFBはこちら
 
 
2015年11月02日(月曜日)
(その38)いま、世界中で東京の巷が一番面白い宣言!
 
 長いこと、通称「さそもん」御愛読ありがとうございました。2012年から始まり、次回のサンキュー回39回で幕を閉じることになりました。この「まいまい」自体がなくなるということなので致し方なし。Web上なので、文字数の制限がないのをいいことにだらだら書き続けてまいりまして、失敬!御容赦という感じでございます。
 
 思えば、私的なことで恐縮ですが、若い頃、文章を書くのがとても好きで、ひょんなことから、事務受付で入ったデザイン会社からコピーライター養成講座へ通わせてもらえることになりました。東京へ着の身着のままで出て来て右も左もわからない身に、とてもありがたかったです。生きるすべのきっかけを与えてもらったようなものでしたから。でも、途中で疑問を感じてしまいました。もちろん、卵の卵の卵ですからコピーのなんたるかもわかっていなくて生意気もいいところなのですが、実際に自分が惚れてもいないものをお勧めする文章を書くのが辛くなっちゃったんですね。
 
 いま思えば、物知らずで社会的な視点が欠落していたから商品をどう位置づけすればいいかわからなかったんだろうと思います。こんなことのために自分の文章を使いたくないと要町のアパートでひとり号泣。若者の思い上がりと一途な正義感。で、数十年後、気がついたらこのように好きなものやことを書いてもいいような環境に強引に自分を持って来ちゃってました。
 
 評論家になりたいわけでもなく、そんな柄でもないしで、自分の立場ってなんなのかなあとつらつら考えていたとき、新宿ゴールデン街の飲み屋「深夜+1」の店主だった、今は亡きコメディアン内藤陳さんが大好きなハードボイルド小説のことを雑誌に書かれていて、御自分の肩書きを「おすすめや」と称されていたのを発見、これだ!と思いました。そうだ、おすすめやになればいいんだと。多少なりとも、自分の文章をそのために使えるなら本望だと。なら、見ず知らずの人のことを書くわけじゃないので、いまその人が生きてる環境を考慮せずに書くわけにはいかないなと。そう思って、会のプロデュースまで始めちゃって現在に至ります。
 
 新聞紙面の連載では、世の中にその芸がある意味合いについてコンパクトに書ければなと思っていました。最初は「お笑い昆虫記」で演者を昆虫に例えたり、巷のライブスケッチができればと「お笑い採集記」と名付けたり、ジャンルに関わらずあちこちウロウロの「お笑い漂流記」になったり、より多くの方々に生の舞台にアクセスしていただきたいと「笑いに生アクセス」したり。世の中の大きな事象になる以前、小さな萌芽、渦を書いてくのが私の役目かな、と思って続けてまいりました。で、はっきり言います。今ほど巷の笑いのライブが面白い時代はないと。
 
 メディアの不確かさに気付き、やっぱ生で見て自分で勉強しなければ、と思う率がますます高くなってる昨今、ライブはやっぱ人ですもんね、面白い人を見るだけで発見がある。あ、こういう見方、生き方があったのか!って楽しくなる。パスポートすら持ってない私が言うのもなんですが、今、世界で一番笑いに多様性があるのは東京じゃないのかなと思っています。それはまるで東京に世界の料理が集まっているのと同じなんじゃないのかなって。
 
 ごく近い演芸の世界を例にとってみても、落語が隆盛になっています。舞台美術がいらない、たった一人が楽しい空間をつくってくれる、なんともリーズナブルな芸。そのジャンルが繁盛するのに必須な条件は多様性。いま演芸界にそれがあるんですよー。伝統をきっちり継承する人あり、伝統的手法はそのままに今までにない世界を現出させる人あり、落語というスタイルを素材にメタ落語というようなのを作る人あり、話芸ってこんなに自由に妄想を羽撃かせられる芸なんだと感動する日々。そこへ持ってきて、かつて「東京かわら版」で、どうせ夢だけど、と思いながら書いていたことが実現しそうな勢いになってきました。その頃流行ってた二つの波を引いて、「ウォークマンを聴きながらスケボーに乗ってる若者が、実は浪曲を聴いてた、そうなったらかっこいい、そんな時代が来ればいいな」と、決して来やしないと確信しながら書いたことを思い出します。いままさにそうならんともかぎらん波が来だしてると思うんですね、近頃、初めて浪曲という芸に触れてびっくりしてる若者のTwitterを見ると。
 
 講談だってそう。講談社という社名が、かつての講談の隆盛から名付けられたものだと、みんな知らないでしょう?落語より先に隆盛を誇っていた講談、浪曲。耳から入る生の声の魅力、話し言葉からお客さんが個々に自由に思い描ける世界。そこには、数学者の岡潔さん言うところの情緒がある。だから強い。本来日本人が持ってるリズム、調子、美、が伝統話芸にはあるんですよねえ。しかもその上、現代性をその中に持ち込んで切磋琢磨する演者たち。そのさまをドキュメントで見てるだけでワクワクします。
 
 そうそう、最近ではこんなことがありましたよ。編集畑から浪曲の世界に飛び込んだ玉川奈々福さん。最初は三味線弾きになるはずがいつしか浪曲を唸る側になり、突然の師匠の死、沢村豊子さんという名人曲師との同棲生活。起居を共にするのが芸の近道とは言え、そこには波乱万丈の笑いと涙が交錯し、切れ切れに聞いてはいたものの、シブラク(その30を参照)で林家彦いちさんが始めた創作落語ネタおろしの会「しゃべっちゃいなよ」で初披露された「豊子と奈々福の浪花節更紗」ときたら大爆笑伝。豊子おっしょさんの無法とも言える、でもキュートな行動が浪花節になった!
 
玉川奈々福さん 撮影:橘蓮二
 
 唸る中身を知らされていない相三味線の豊子おっしょさん、いきなり語られる自分の言動に合いの手を入れ、先を促し、思わず噴き出し、その姿を見て観客は笑いを堪えきれず、そのお客のウケを受けて更に冴える三味線と唸り。そんなあ、と思わず言いたくなるような豊子おっしょさんの行動を語る奈々福さんは、まるで楽しそうにお客に告げ口をする生徒のよう。
 
沢村豊子さん 撮影:橘蓮二
 
 終演後、すっかり行状をバラされたおっしょさん、怒るかと思いきやにこにこ。自ら「だってほんとのことだもんねえ」。ああ、ネタにして溜飲が下がった、仕返しをしてやったとばかりの奈々福さん。不思議な二人の関係にお客さんはやんやの喝采。そして、、、、「受けた」ことが何よりも嬉しい二人なのでした。
 
撮影:橘蓮二
 
 これぞ、芸能の力。これはほんの一例。気が弱くなってるあなた、巷のライブにいらっしゃーい。違う人に会うのがあなたを元気付けまーす。どこへ行けばいいかわからない? そんな方は木村のTwitterを追っかけてくださーい。フォローしなくてもただ覗いてるだけでもいいですよー。アカウントは uzumarishiro です。
 
 
●11/26.木「写真家橘蓮二セレクション/焦点/第二回」
出演:春風亭一之輔 / 立川吉笑 / 玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
開演:19:00
会場:北沢タウンホール
料金:前売3500円 当日3800円
問合:03-5478-8006(北沢タウンホール)
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
ジャズが好きな方を。唸りと三味線のセッションを是非  300
古典も新作も好きという心の広い演芸ファンを  150
下北沢を演劇の街としての認識しかない演劇ファンを  200
会場すぐ近くのライブハウスにはしょっちゅう来る音楽好きを  130
下町の寄席通い演芸ファン家族を  170
 
 
 
 
2015年09月25日(金曜日)
(その37)ギネスに載せる?女性3人コント28周年、だるま食堂
 
 これはずっと演芸に携わってきて感じてることなのだけど、演劇って役柄にいかになりきるか、与えられた役に没入できるかが勝負。役柄の人物がどのように育ってきたか、今ある状況で何を考えてどう生きていこうとしてるのか、父母や兄弟はどうか、富者か貧者か、聡明なのか愚かなのか、表現は過小なのか過剰な奴なのかを作りきる。没入度がモノを言う。翻って、コントっていかに役柄になりきらずに自分を数センチ浮かせられるか、にかかっているように思えるんですね。そういや、大阪人って根っからそれができているように思います。
 
 高校生のころ、こんなことがありました。体育祭の応援団代表に任命され、一緒に代表になった男子と商店街へ応援用衣装に使う大きな布を買いに行きました。「おっちゃん、これくらいまけてえな。高校の運動会やで」「これ以上まけたら、おっちゃん、めし食うていかれへん。また今日もお茶漬けやがな」「一日くらいお茶漬けでも死ねへんがな」「死んだら責任とってくれるんかいな」「ええよ、とったるわ、こっちの方が長生きするさかいな」こんな会話で値引き交渉。結果、厳密に言えば得したのか損したのかはわからないのですが、得したような気になったのは確かでした。男子がほくほくしてましたから。真剣な交渉でおっちゃんと高校生が遊んではるわ。商人の都大阪、関係を滑らかにするべくフラットな会話の術が磨かれているようです。自分をちょっと浮かせていますよね。人口密度の高い都会では欠かせない会話術です。こんな精神が関東のおばちゃん?お姐さま、熟女3人にも根付いている気がします。
 
撮影:しばやん
 
 だるま食堂は、もとは劇団員から出発してのちにコントに転向、気がつくとのべ28周年を迎えました。はっきり言っていい年です。笑いで女が28年!ありえない、ひょっとしたらギネスブックに載っても不思議じゃないよ。赤緑黄色の大きなカツラをかぶり、胸とお尻がわざとらしく盛り上がった厚化粧で登場する「ボインボインショー」の歌と踊り(?)で一躍知られるようになりましたが、そもそもはコント師の3人。
 
 ボインボインショーだけを見て、だるま食堂を知った気になってる方々にぜひ彼女たちのコントを見て欲しいと思うのです。たとえば、別れた彼、ヨネキチさんが老舗のどじょう屋に勤めているらしいとの噂を聞き、でもどりのお姉さんを誘って浅草にやってきたカズコさん。お店の名前がわからないなら探しようがないわねえ、と困った二人の前に現れたのは、人力車。「老舗のどじょう屋を巡っていただきたいの」乗り込む姉と妹、人力車を引っ張って走る車夫。ここからがすごい。客と車夫の3人は猛烈に足踏みしながら走ってるていで前進。しかも姉と妹は着物で車夫と一緒に走る姿の凄まじさ。さすがにくたびれた車夫に変わって元陸上部のお姉さまのダッシュもすごい。ついに3人が入れ代わり立ち代わり車夫役をやって全員ダッシュ。汗かきながらの馬鹿全力演技は爆笑。この汗もの系は他にもバレーボールやダンスや水泳教室など多数。これ、まだ体力ある今のうちに見といた方がいいよなあ。
 
撮影:しばやん
 
 こんなのがある一方で、暴れない哲学的作品もございます。静かな音楽をバックに、黒づくめの女性が二人、宙を見てひたすら歩いています。「歩いて来たわね」「歩いて来たわ」「これからも歩いていくのね」「歩みはのろくても」「重いわ~、あなたはいいわね身軽で」見ると、一人はリュックを背負っています。「あら、背負うものがあるのが羨ましいわ」「そうお?なにもかも捨てて自由になりたいって思うことがあるの」「馬鹿ねえ。それがあるとないとでは世間の見る目が違うのよ」さて、3人目が現れます。お花に水やりの彼女。そのセリフから、実はこの二人、でんでん虫とナメクジなんだということがわかります。そうこうするうち、女性がナメクジ退治に塩をエイヤッとかけてしまいます。あらあら、ナメクジと一緒にでんでん虫にもかけちゃった。「溶けていくのね~」と歌いながら消える二つの生命体。ふにゃふにゃ、叫びながら溶けていくナメクジとでんでん虫~。
 
 さて、近年、「ボインボインショー」系第2弾、歌って踊れるアイドル「スリーミニッツ」も新登場。ただし3分の時間制限あり~。だ、か、ら、スリーミニッツ! CDだって出しちゃった。
 
 笑いとダンスと歌で構成する、女性3人コント師28年の奇跡をどうぞご覧くださいませ。解放~。缶バッジに手拭いにエコバッグにクリアファイルと物販多数。
 
 
●9月28日(月)、29日(火)「コントだるま食堂28周年記念/へいこら祭 in 池袋/2DAYS 3公演」
開演:28日19:00開演、29日14:00開演、19:00開演
会場:東京芸術劇場シアターウエスト
料金:3900円
問合:03-5785-0380(夢空間)
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
国会中継をネットで見続けてむしゃくしゃしてる方を  300
嫁姑問題にあたりさわりのない態度しかとらない夫を持つ奥様を  150
落語「青菜」に出てくるおかみさんファンを  200
ゴミの日の朝しか会わない、ちょっと気になる近所のおじさんを  130
いつも愚痴を聞いてくれる「まどか」のマスターを  170
 
 
 
 
2015年08月18日(火曜日)
(その36)ユーモアエッセイスト、門戸の広い落語家、三遊亭兼好さんの謎
 
 いつも和服というのは普通じゃないけど、それ以外は常識人のようでいて、よく見ると、なんだか得体が知れなくなってくる兼好さんは不思議な落語家さんです。
 
写真:山田雅子
 
 ときは秋、落語のマクラで「なんか‥喉の調子が悪い‥、松茸がひっかかって‥」。そのすっとぼけぶりに、思わず吹いちゃって気になったのが最初でした。庶民には高値の花の松茸を喉の調子が悪い言い訳に使うなんてね。言い訳が場を明るくする。面白い顔でも声でもなく、妻子持ちで遅い入門、もと編集者、魚河岸で働いてるときに近くを通りかかった三遊亭好楽師匠に、スクーターを止めて駆け寄り入門を乞い、師匠から初小言をくらう。「ヘルメットを取れ!」。ここから察するところ、落語という芸能に特に詳しかったわけではなく、落語家がまとっているのんきで楽しい空気に魅入られたという素直な近寄り方が、いまの兼好落語をつくっている気がします。なので、大半の、落語に詳しくないお客様を迎え入れる玄関が広いのです。ゆえに、人を誘いやすい。また一緒に来ようね、となる。大上段に振りかぶらないので、鑑賞スタイルにはならない。つくづく大ホールより寄席に似合う芸だなあと思うものの、大ホールの落語会でトップバッターを任せられると空間をやわらげる任務をきっちり果たします。サラリーマン体験があるだけに、普通の生活を送るお客様の気分を地引網のようにすくうのが上手なのでしょうね。
 
 二つ目の名前「好二郎」から、吉田兼好の名をとって「三遊亭兼好」としたその大胆さはどこから?と聞いてみたら、「好楽師匠が考えてくださいました。『兼好っぽい』が理由と由来です」。さすが師匠、日頃の弟子の言動をよく見てらっしゃる。兼好さんのまわりには、あれやこれやをつれづれなるままに静かに観察してる空気が漂います。その成果が読めるのは、日本で唯一の関東演芸専門誌「東京かわら版」2012年6月号から始まった連載エッセイ「お二階へご案内~」。ものの見方、文章、構成、オチまでがお見事で、毎回、私は、あっぱれ!と爆笑でございます。
 
 当初、ここで常に悪者にされてるおかみさんや娘さんのことが心配になり、このエッセイのおかげで家庭不和が勃発してるのでは、亭主はあのにこやかな顔でこれも仕事だ!と一喝、芸のために逼塞させられている哀れな家族が目に浮かび、私は、兼好さんにおずおずと聞いてみました。「大丈夫なんですか、あんなふうに書いて。おかみさんも読まれるんでしょうに」「え?わたし、パソコンができないんで、あれを打ってるのはかみさんですから‥」。なんと!心配は私の余計な御世話でございました。拍子抜けした後に笑いが込み上げてまいりました。さすが落語家のご家族、と言っても御結婚なさったときは落語家ではなかったはず。さらに聞いてみましたとも、今度は直接おかみさんに。「結婚を前提に父に会ってもらったときは無職でした。無職と噺家、噺家がマシ。サラリーマンや魚河岸に勤めていたとき、過労死しそうでした。過労死と遊び人のような噺家、噺家の方がマシ」。明快であります!ここにいたって、私の心配は雲散霧消。一期一会。横断歩道。
 
 でもね、去年の3月号エッセイによると、次女が幼稚園で心を込めてつくった「焼き物雛人形」をね、「ムンクの叫びを立体化したような代物。お雛様とお内裏様を『苦悩ちゃん』と『絶望ちゃん』とひそかに呼んでいる」なんて、あまりじゃないですか、いたいけな子供の心をえぐるような、ひどい!とここでまたもや私はそこんところを聞いてみましたとも。そして、メール添付でおかみさんより送られてきた二つの作品を見たとき、わかったのです、兼好さんは正直者だと。そんな次女も大学一年生になりこんなコメントをくださいました。「単純に尊敬してるし色んな人に自慢してるし、◯◯(次女の名前入る)にとっての財産にもなってるなぁと思ってるよ!日本の伝統文化とかの魅力をこの歳で人に話せるほど触れてる人はあんまりいないと思うし。あと、パパは色んなこと勉強して色んなこと知ってるから、面白い。だから◯◯も色んなこと勉強しよ~って思う(笑)」。最後の(笑)が気になるけれど。
 
 どうです?読みたくなったでしょう?「お二階へご案内~」
 
 どうです?聴きたくなったでしょう?兼好落語。
 
 
●8月29日(土) 「三遊亭兼好独演会/兼好庵“夏”」
開演:19:30
出演:三遊亭兼好、ゲスト:寒空はだか
会場:なかのZERO小ホール
料金:3600円
電話:03-5785-0380(夢空間)
兼好さん自筆
 
●9月8日(火) 「あったか落語、ぬくぬく。其の九」
開演:19:15
出演:瀧川鯉昇、柳亭市馬、三遊亭兼好
会場:成城ホール
料金:3500円
電話:03-3482-1313(成城ホール)
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
「東京かわら版」兼好エッセイファンを 300
強いかみさんへの対応策を練ってる方を 150
笑う哲学者、土屋賢二教授ファンを 200
それほど好きでも嫌いでもない近所のおばさんを 130
いつも板挟みになってるらしい仏頂面の上司を 170
 
 
 
 
2015年06月25日(木曜日)
(その35)四つの歯ごたえ、落語アルデンテハーモニー
 
 2010年春、スパゲッティでもうどんでも蕎麦でも、そして芸も、ちょっと歯ごたえのあるのがいいよね、と「落語アルデンテ」が始まった。メンバーは、落語協会の真打二人、桃月庵白酒と春風亭百栄、円楽一門会の三遊亭兼好、そして落語協会のまだ二つ目の身分だった春風亭一之輔だった。
 
撮影:橘蓮二
 
 以来、3.11東日本大震災で中止になった会もあったが、流浪の民のように会場を変えて現在に至っている。中央沿線の中野を振り出しに、都心の銀座、霞が関、渋谷、池袋ときて、井の頭線と小田急線がクロスする演劇の街下北沢へ、かと思えば鯔背(いなせ)な日本橋へ。
 
 タイトルには「我らの時代」と意気軒昂な見出しもつく。今までの公演名をあげてみると、池袋昼夜2公演「黒アルデンテ(悪人登場)、白アルデンテ(善人登場)」、演劇の街下北沢昼夜2公演「Mad or Sad/悲劇アルデンテ、喜劇アルデンテ」、日本橋では「鯔背アルデンテ」、昼夜2公演「出汁アルデンテ/鰹アルデンテ、昆布アルデンテ」、真夏の銀座昼夜2公演では「お盆アルデンテ/迎えデンテ、送りデンテ」といった具合で、このタイトル縛りで、それぞれがどんなネタを出してくるのだろう?マクラは?というワクワク感をお客様に抱かせている。
 
 チケットを買った時点から始まっているライブ感。古今亭の美スタイル落語に毒と現代をテンポ良く放り込む白酒、癖のある新作でお客を煙に巻きながら古典の形を崩さない百栄、落語知らずを引き込む陽気と庶民性でお客との距離を一気に縮める兼好、登場人物の愚かでキュートな餡(あん)を落語の皮でくるんだ薄皮饅頭のような落語世界を描く一之輔、らが絶妙なコンビネーションで奏でるハーモニー。
 
 「VS」ではない、寄席の風趣も漂うホール落語。日常と地続きの落語。明日からの生活に役立てられるかも、な落語。翌日、すぐにこの会のことを人に話したくなるビビッドな落語会。
 
 そのとき、その場で、その流れで、なにを高座にかけるか、どう演じるか、その日の天候、お客様、自分の生理、それらがないまぜになって四者四様のその日の高座が展開される。四角い座布団宇宙から繰り出される無限世界の豊穣(ほうじょう)、話芸の宴。客席との気分の応酬。出演者の年齢30代~50代と言えば、企業の最前線でバリバリ働くお年頃、そう、この四人もまさに落語界の最前線でぶつかり探りもがきながら日々発見の毎日を過ごしているのだから。そんなアルデンテが、この夏は、板橋にまいります。生活都市板橋でどんな落語風景を見せてくれるのでしょうか。
 
 これまた斬新なチラシが目を引きます。四人とも座ってない!? どうなるどうする板橋アルデンテ。また新たなアルデンテの1ページが開きます。アルデンテ麺打ち職人の打ちっぷりを生で見届ける価値ありの現場です。
 
 
●7/15.水「我らの時代、落語アルデンテ11」
18:30開演
会場:板橋区立文化会館大ホール
出演:桃月庵白酒、春風亭百栄、三遊亭兼好、春風亭一之輔
料金:3600円
電話:03-5785-0380(夢空間)
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
板橋、練馬地区の落語好きを 300
「東京かわら版」兼好エッセイにクスッと笑ってる姉貴を 150
「ドッコイショ」を「ドイツの将校」と空耳する奴をこの目で見たいという父さんを 200
百栄ちゃんの髪型の変遷に興味ある美容師さんを 120
ユニクロのTVCMで見た丸坊主の落語家の本業をまだ見たことない方を 170
 
 
 
 
2015年05月21日(木曜日)
(その34)鉄道と落語、相互乗り入れで人生に乾杯!古今亭駒次
 
 好き、というのはつくづく尊いことだと思う。今や女性にもいるけれど、圧倒的に男性に多い鉄道への愛はいったいどこからくるのでしょうね。ここではないどこかへ行ける乗り物全般が好きですよね、男の人って。
 
撮影:橘蓮二
 
 東急大井町線、緑ヶ丘出身のお父さんの影響も受けて、日常の真ん中に東急線がある環境で育ち、長じて落語家に。師匠は、古典落語オンリーの古今亭志ん駒だが、三遊亭円丈師匠に誘われた新作落語の会「無限落語」で、作品ができずに切羽詰まって二日前に急ごしらで発表した「鉄道戦国絵巻」、これが受けに受けた。
 
 たまたまこの日、会場お江戸日本橋亭の客席にいた私は、てっきり何度も高座にかけられたネタだと思っていました。ネタおろしだったと聞いてびっくり。それほど完成度が高かったのです。東横線、田園都市線、大井町線、新幹線らがキャラクターづけされ、入り乱れて争う下克上の戦記物コミック。きっと幼い頃から思い描いていた世界が、背水の陣状態に押されてみごとに噴出、鉄道愛あふれる物語になったからでしょう。
 
 深くなればなるほど趣味嗜好って恥ずかしい行為。が、羞恥心を忘れずに表現に昇華された物語は普遍に至る。その後、東西の鉄道好き落語家との交流も始まり、共著でその名もずばり「鉄道落語」(交通新聞社新書)という本まで出してしまった。
 
 
 もう後へは引けない、引く必要もないけど。「鉄渦」という、異ジャンルの鉄道好きと一緒になるライブでは、続々鉄道落語を発表。ドキュメントで迫るジャグラーと時事風刺漫談のダメじゃん小出、鉄妄想で客席を煙に巻くスタンダップコミックの寒空はだか、そして駒次の鉄道落語。もうこの春、13回目を迎えた。
 
 一方、80人も入ればいっぱいのスペースで月に一度コンスタントに続けてきた駒次独演会「赤坂寄席」はすでに50回にならんとする。そこでおろした作品は90席ほど。このうち鉄道ネタは20%とか。涙を誘う「公園のひかり号」、男女の機微を鉄道にのせて描く「都電物語」、古典「反対車」を列車に置き換えた「反対列車」、浜田廣介の名作童話「泣いた赤鬼」をベースに大きなフリップも使う「泣いた赤い電車」、ほかに駅弁からスタンプから、、、テーマは無限。鉄道と落語って相性いいね!落語って大衆芸能、鉄オタってマニアック、この二つが上手に融合して相互乗り入れすると、基幹産業ならぬ基幹娯楽(?)になり得るんですよね。
 
 オタク趣味を落語化した先達には、柳家小ゑん師匠がいる。この方は鉄道どころか、天体観測、ハンダ付けの名手、カメラ、オーディオと広さ深さが半端じゃなく、しかもそれぞれの世界を笑いと涙にまぶして作品を作り上げる名手。この方をゲストに迎えて、50回記念落語会が開かれることになりました。本人いわく「間違っていつもの4倍広い会場を押さえてしまいました」。これは大変と、いつもは落語を聴きに来ない友人にも幅広く声をかけ、なんとか満員になりそうな勢い。濃い落語ファンでもなく、鉄道ファンでもない、普通の方々がどんな反応を示すのか、この日の若い空間を共有してみたい私です。しかも、チケットはこんなです。硬券(コウケン:これも鉄好きから教わった言葉~)ですよー。※バックは駒次さんの手拭いです。見る人が見たらこの鉄道正面顔で電車名がわかるのでしょうねえ。
 
 
 ホームページは「駒次鉄道」だし、プロフィールでは、玉川大学卒業後、古今亭志ん駒に入門、「駒次」の名をもらった2003年は、電車とバスの博物館移転があった年、という具合に鉄道の歴史と自分史を重ね合わせちゃってるし、ブログは「乗務日誌」だし、スケジュールは「出演時刻表」だし、ことあるごとに嬉しそうに車掌の帽子をかぶって電車と一緒に自撮りしてるしー。
 
 ひょっとして、いま一番幸せな人生を歩んでる人じゃないの、と思えて来ましたよ。療養中の志ん駒師匠も「がんばれよ」とエールを送ってくださってるとか。駒次鉄道、新たなレールを出発進行でーす。
 
 
●6月14日(日) 古今亭駒次赤坂寄席50回記念スペシャル~こんなに大きくなりました。
14:00開演
会場:赤坂区民センター
ゲスト:柳家小ゑん、翁家和助(太神楽)
前売り2000円 当日2500円
090-2564-8190(キュート事務局 留守電対応)
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
鉄道好きで落語好きを  300
恋人が鉄ちゃん過ぎて結婚を躊躇してる彼女を  150
こないだエヌゲージとつぶやいてるのを聞き逃さなかった同僚を  200
社会コウケンと言ったら「社会硬券」と書いた弟を  120
純度の高いさわやかな青年が好きなおばさんを  170
 
 
 
2015年04月22日(水曜日)
(その33)意味はあなたの中にある、加納真実さんの時間!
 
 私は客席の後ろに座るのが好きです。みなさんはどうですか。演者の舞台を見てるのはもちろんですが、どっちかっていうと、演者とお客さんが作り出す空間を味わっていることの方が多いかな。だから、同じネタでもときと場所によって空間が違ってくるのを見てるのがことのほか面白いんですね。
 
 その醍醐味を一番味わえるのは大道芸。加納真実さんが青いジャージー姿で道に立つ、なにこの人、と通りすぎる人、気にはなりつつ通りすぎてから物陰から観察する人、正面から堂々と見る人、見てる人を見る人、そしてお客は忘れがちだけれど、見られつつ見ている加納真実。
 
 さまざまなスタンスの人々の輪が広がり、注視し始めた人たちの期待が高まる頃、加納真実は打って出る。なになに?の段階から、あれ、ひょっとしてこういうこと?え、そういうこと?違う?あれれれれれ。驚き、微妙に笑みがこぼれ、くすくす笑い出す人たち。声は一切発しない。言葉はない。すでに加納真実体験が複数回の人は、初心者の反応を「私も最初はこうだった」と余裕の笑みを浮かべつつ、鷹揚に笑う。ネタはもったいないのでここには書けないけれど、恥ずかしがりやの日本人が、加納世界にひきこまれ、いいように踊らされる。踊らされてまことに嬉しそうな人たち。人を解き放ち、自由にさせるのに、こんな手があったのか!
 
撮影:橘蓮二
 
 私が初めて見たのは、パントマイムの山本光洋さんソロライブででした。青のジャージー上下に、頭には日本カツラをかぶり、洒落た曲に合わせて前になり後になり光洋さんとダンス。美しい奇妙奇天烈。強烈な光線を放つ、どこを見てるのか、すべてを見てるのか、あるいは見ていないのか、加納の視線。
 
 衝撃を受けたあと、一体なに、この人、解明したくて出かけた先は昼間の新宿ゴールデン街にある小さな劇場ソロライブ。会のタイトルからして不思議。「時間!時間!加納の時間!!」この意味があとからわかる。コントや芝居やパントマイムやパフォーマンスというレッテルを貼った時点で、嘘をついてる気がしてくるからだ。一例をあげてみると、ミラーボールってさ、最後に大団円というシーンで華々しく回すのが普通でしょ?なのに、最初に回り出すの。しかも真実さんは後ろ向きで立ってるの。で、客席に向かって、背を反らせて変なごあいさつの形になって、ミラーボールが回り続けてて。なんだー。こんなオープニングありかー。
 
 年齢、性、国籍、職業、の区分けを一切選ばない加納の時間をいつかどこかで御体験あれ。今では全国に追っかけができてファン同士の情報交換も盛んらしい。かつて、女にこんなナンセンスができて喜ばれる時代がくるとは思いもしなかった。時代にブラボー。
 
撮影:橘蓮二
 
 加納真美世界の理解の一助になりますかどうか、さらに混迷を深めるばかりになるかもだけど、橘蓮二さんの写真をどうぞ御覧くださいませ。夢中で切るシャッターの音が聴こえてきます。
 
 
●5/1.金「爆渦」 19:30開演
会場:しもきた空間リバティ(下北沢)
出演:キン・シオタニ、オオタスセリ、加納真実、だるま食堂、山本光洋
料金:3000円
予約問合:件名を「渦35予約」としてuzumarishiro@icloud.com まで
      電話は03-5856-3200(渦産業)
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
謎好きを  300
アイドルに飽きてる人を  150
投げ銭好きを  200
家ではジャージー姿で過ごしてる人を  120
お付き合いしようかどうか迷ってる人がいて相性を確かめたい人を  170
 
【リンク】
 
 
2015年03月25日(水曜日)
(その32)カンカラ三線一丁、出張出前、岡大介さん
 
 天はオツなことをなさるなあ、と思うのはこんなときです。サッカー選手で食っていこうと本気で夢見ていた青年が、演歌師になるなんてね。こんなきな臭い時代に、社会のいたるところに存在する体制の矛盾を撃つ演歌を、路上で、居酒屋で、ライブハウスで、野外の集会で、カンカラ三線(さんしん)一丁たずさえて、声高らかに歌う若者が現れるなんて。
 
撮影:橘蓮二
 
 こうなる経緯が、また面白い。吉田拓郎に憧れ、オリジナル作品も含めたフォークをギターで弾き語り、フォークシンガーを名乗り、そうこうするうち御近所住まいだった高田渡に出会い、演歌を知り、路上で歌っていると沖縄のカンカラ三線という奇妙な楽器を渡して去った人がおり、庶民の歌を歌うにはこの安価な楽器がぴったりだと、カンカラ演歌師になった岡大介(おかたいすけ)さん、いま、とてもそうは見えない36歳。お爺さんでもないのに、明治大正時代に流行った演歌を歌っている、もうそれだけで人の目をひく。とびっきりの人懐っこい童顔と、20代前半は代々木公園でフォークを毎日10時間歌い続けたという強い喉と伸びる声。夾雑物(きょうざつぶつ)のない、まっすぐな歌が老若男女の心にすんなり入ってくる。そうか、根底にわけへだてのないスポーツ精神があるからか。
 
 浅草寺わきのアミューズミュージアムというスペースで月に一度続けてきたライブが先日ついに5周年を迎えた。「ニッポンフォークの原点、唖蝉坊(あぜんぼう)演歌 此処(ここ)、浅草にあり、庶民の叫びを演歌に乗せて、唖蝉坊やでございます」のチラシの惹句(じゃっく)どおり、添田唖蝉坊の反骨精神あふれた演歌の数々を、あるときは一人で、あるときはドラムとアコーディオンと、あるときは和太鼓と、ときに手拍子ももらいながら歌い終えた。かなわぬ東北復興、人心を踊らせる金の虚しさ、増税にあえぐ庶民、そして日本の最底辺の若者と同じフランスのならず者アパッシュを歌い込んだかと思えば、自作の「東京」をギターで聴かせもした。一番小さいお客さんは5歳の女の子。おばさんに連れてこられた、この日誕生日を迎えた彼女が岡大介に恥ずかしそうに渡したもの、それはチラシの裏に描いた絵とひらがなのラブレターだった。
 
 岡さんをここ数年見ているが、明らかに歌に芯ができたその理由は、音楽家・土取利行さんの薫陶によるのだろう。一対一で郡上八幡における合宿とおぼしき歌の訓練、なにゆえに歌うのか、音そして間、声の意味、それらを身体に染み込ませてきた時間は貴重。加えて、演芸畑の落語家さんらから得た、笑いと大衆芸能性。奥底に頑固一徹を秘め、へだてのない性格と年齢が功を奏して、ありがたいことにあちこちから教師がたくさんやって来る。来るもの拒まず、まずはいったん受け入れて、じっくり身に合う要素を消化吸収、大事に育てていく歌の一筋道。
 
 偶然、その昔、三味線奏者・桃山晴衣さんと出会い一緒にお仕事をさせていただいた私としては、岡さんを通して、桃山さんの遺志を引き継ぐ土取利行さんと再会できたことは驚きでもあり大変嬉しいことでした。2月28日、両国シアターXでの「添田唖蝉坊の長歌を演歌する」で土取さんが歌った長歌「ああ踏切番」には胸がふさがれ、歌は歴史を残していく役割をも担っているのだとあらためて気付かされたことでした。レコードというハードが現れたとたん、それまであった長い歌が忘れ去られていったという事実、ハードの変化がきっかけでこれほどまでにたやすくソフトが変化してしまう歴史。今や音楽はテープ、CDを経てダウンロードへ向かうが、どうするどうなる。舞台の土取さんに「岡くんいる?」と誘われ、客席にあがった岡大介さん、当日のお客様からすればほとんど孫のような青年が歌う「わからない節」を歌えば、土取さんは「新わからない節」を、と楽しい宴。
 
撮影:木村万里
 
 パラシュートと缶詰の缶で作られた沖縄の手作り楽器カンカラ三線というハードに出会った岡大介がめざすものは。新発売になるCDジャケット撮影のために先日訪れた宮古では思いがけないラッキーに遭遇したと言う。被災地でもある宮古、大正時代に活躍した演歌師・鳥取春陽の生家もある宮古へ出向いた岡大介が鼻を効かせてみつけた居酒屋は「のり平」。岡大介基準いい居酒屋3条件、①提灯が一つぶらさがっている(たくさんはNG)、②置いてある日本酒の銘柄が書いてある、③1階にある、を見事クリアしたその店に入り、話の流れですすめられるままに演歌を歌えば、日頃の鬱屈した気持ちを忘れて楽になったと常連さんたちから投げ銭が集まった。これが交通費になった。歌は身を助く、を地でいった。平成の世、歌に何ができるか、岡大介の道は続く。
 
 
●4月12日(日) 浅草カンカラ月一ライブ!
15:00開演 2160円
会場:アミューズミュージアム(浅草)
電話:03-5806-1181
 
●4月22日(水) 三條亭・岡大介の吉祥寺カンカラ流し!
19:30スタート 投げ銭
会場:お好み焼き・三條(吉祥寺)
電話:0422-48-4379
 
●5月4日(月・祝) 渦35 みどり渦
19:00開演 3000円
出演:岡大介、おしどり、バロン、シルヴプレ、モロ師岡+楠美津香
会場:しもきた空間リバティ(下北沢)
電話:03-5856-3200(渦産業)
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
声フェチを 300
みんなで歌ってストレス解消したいなあというお母さんを 150
歌の力に最近疑問を感じ出して思い悩んでる歌手志望の年下彼女を 200
ブラック企業で息も絶え絶えな昔の旧友を引っ張り出して 120
人と人をつなぐのがなによりの幸せというお店のマスターを 170
 
 
 
2015年02月23日(月曜日)
(その31)滑稽がやどる体、パントマイム山本光洋の巻
 
 一途、一所懸命、というのは、はたから見ると滑稽に見えるものですよね。自身を埋没させて脇目もふらずになにかに取り組んでいるときは一心不乱で、誰のどんな意見も耳に入らない。 たとえ他人の意見じゃなくても過去の自分を今の自分が他人の目で観察してみると、よくもまああんなことを言ったもんだしたもんだ、滑稽きわまりないってことあります。人生そんなことの繰り返し。視点を移動させるだけで、笑えることだらけ。この滑稽視点を獲得すればするほど生きるのが楽になる気がするんですよね。
 
 では、滑稽ってなに?
 
 昔、「のらくろ」を描いた田河水泡さんという漫画家が「滑稽の構造」(昭和56年8月10日講談社発行)という珍しい本を書いてます。滑稽について誰も書いてないから、と滑稽を分類しようと試みた本です。「複問の誤り」、「不当因果」、「語義解釈」、「多後一義」、「積極消極」、「単純複合」、「抽象具体」、「対象属性」など120項目に分類した田河先生の姿勢そのものにまず私は笑ってしまいました。こういう分析って男性脳のなせる技だと。落語のオチを真面目に分類した男性もいましたが、女性はまずそういう発想、ないよねー。この一途さそのものが滑稽で、ククククと笑いながら読みました。もちろん、厳密に言うと分類できないものもあり、それはそれとして面白がってらっしゃる田河先生のお茶目な空気が伝わってきて、これもまた面白し。
 
 「ナンセンスは実在も科学も無視して、架空から不合理な滑稽を作り出す。いわば発明された滑稽がナンセンスなのです。相対的概念はコミックを当てました。コミックはわれわれの生活周辺に実在するものを対象として、そこから滑稽を求めて作り出す。いわば発見された滑稽がコミックなのです。つまり滑稽には発明された滑稽と、発見された滑稽とがあるということです。このほかにユーモアと呼ばれる滑稽がありますが、これは美的快感という主観による感情で動くものなので、論理的な分類の枠には当てはまりません。だからそれには触れないことにして、概念の話をこれで終わります」
 
 合間に出てくる言葉の端々にユーモアを感じさせる田河先生。(さあもありなん、新作落語「猫と金魚」の作者ですもの)分類するためにあげられた例は、紙の上で表しやすい漫画や笑話や落語なのですが、体を使った作品は出てこないんですね。
 
 そこで、体を使って笑いを見せてくれる山本光洋さんの舞台を思い出しました。もし田河先生なら、山本光洋さんが醸し出す笑いをどう分類されるかなあ、なんて妄想します。「美的快感という主観による感情で動く」ユーモアにあたるんじゃないかな。
 
 高校の時には、短期間らしいのですがオチケンに所属していたこともあるという光洋さんを初めて見たのは渋谷のジァンジァンで、映画を題材にしたマイム作品を数人で見せるという公演でした。
 
 合わせた銀の灰皿二つを、映画「マーズアタック」に登場する円盤になぞらえて空中遊泳させていたのがなんともバカバカしくて。こういう単純な笑いは、論理的に簡単に分類できても、演じ方によってちっとも笑えなくなったりします。演者の面白がり方、表現の美しさが重要になります。「美的快感という主観による感情」をもよおさせるにはこの二要素は必須。空中遊泳シリーズでは、あるときはスーパーのレジ袋が舞い、あるときはティッシュが舞い、あるときはキューピー人形が舞います。舞わせる光洋さんの体があたりをはらって惚れ惚れするほど美しい。光洋さんが繰ることによって、日常品が夢世界への入り口の役割を果たすのです。
 
撮影:橘 蓮二
 
 トレンチコートを相手に亡き妻を思い静かにダンスを始める老人は涙なくしては見られない短編小説。消えかける炎を前に、燃やすものがなくなり、椅子、衣類、ついには自分を炎にくべるという哲学風味な作品。芸術としての品プラス笑み。
 
撮影:橘 蓮二
 
 光洋さん扮する人形芸人チャーリー山本は、目には見えないサカモトとヤマグチの二人に繰られているという大前提により動きが極度に制限されます。
 
 制約があればあるほど面白いという笑いの原則にのっとり、チャーリーはこともあろうに手品に挑戦します。思い通りにならない体を演じる光洋さんの格段の技術が光ります。涙が出るほど笑いながら、ふと、人ってみんななにかに繰られてるのかもと気付いちゃったら、哀切と笑いがないまぜになって押し寄せます。でもわざと知らんぷりしてただ笑うことにしています。チャーリーは言います。「自分の喜びは自分でみつけてください」と。手品に失敗したチャーリーはこうも言います。「失敗したっていいじゃないか、だって、人形だもの」。
 
※なお、ソロライブのタイトル「かかしになるために」は、映画「スケアクロウ」に出てくるセリフ「かかし(スケアクロウ)はカラスを笑わせて畑を荒らすのを見逃してもらってる」からとったそうです。
 
 
●3月6日(金)~8日(日)「ついに第10弾/山本光洋ソロライブ~かかしになるために~」
会場:中野planB (丸の内線中野富士見町より徒歩7分)
料金:予約2300円 当日2500円
予約:03-3951-1999 山本光洋office(info@koyoworld.com)
★なるべく予約なさった方がいいとがいいですよ。
6日19:30~
7日15:00~、19:30~
8日15:00~
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
読むのも聞くのも、言葉に疲れたという方を 300
パントマイムは敷居が高いからと怖気付いてる方を 150
中野近辺にお住まいで愉快なこと大好きレディーを 200
もう好きな事して生きていこうかなあ、とため息まじりに呟いた同僚を 120
同窓会で出会った、かつて好きだった人を 170
 
 
 
2015年01月19日(月曜日)
(その30)はじまり~渋谷定期落語会、へんてこからオーソドックスまで
 
 あれから20年、、、そうなのか、阪神淡路大震災から同じ年月が流れているのかあ。20年前、ライブ会場で勝手に配布していた「月刊 笑っていーもんかどーか」(通称わらもん)というフリーペーパーを月1で発行していました。
 
 
 その前は、木村、テレビ演芸番組にかかわっていたのですが、巷でぐんぐん沸き起こる笑いのライブ、その方向の多彩さ、ライブ人口の増加、を見るにつけ、レンズを通さずに生身の快感を知る人達の色とりどりの感想を知りたくなってね。今でも忘れません、それは本間しげるさんのライブを見た後、友達数人で入った東邦生命ホール(後にクロスタワーホールに)地下一階の居酒屋でのことでした。ちかごろ見たライブのあれやこれやを喋り合っていたとき、1人が「これは、、、笑っていいもんか、、、どうか、、、わからないんですけどね…」とエクスキューズをつけて話し始めました。「それだ!」と私は叫びました。今度出すフリーペーパーのタイトルはこれだと。
 
 笑いのツボは千差万別なので、ライブの感想はいわば「告白であり主張ではない」(小林秀雄さん文章から借用)のだから常に「笑っていーもんかどーか」を前に付けたくなるんですよね。ふとつぶやいた袴田京二さん、あのときはありがとう!ネットのない時代、葉書1枚に感想を書いて送ってもらったのをレイアウトしてA3用紙裏表両面に張り付け1枚のフリーペーパーに。
 
 で、当コラムを始めるにあたり、毎日新聞編集者さんにこの思い出話を披露しつつ、ライブ集客に必須なのは、来たお客さんが知り合いを誘ってくれることなんだよねー、と話すと、若き担当者が言いました。「タイトルは、誘っていーもんかどーか、では?」「わあ、通称さそもん!」とばかりに、ナイス、即決。
 
 そして2014年の暮れ。もと映画館だったスペースはユーロライブと名を変え、毎月第2金曜日からの5日間、定期落語会「渋谷らくご」通称シブラクが始まり、フリーペーパー「月刊どがちゃが」が会場で配布されることに。番組構成者であるキュレーターおよびフリペ発行人サンキュータツオさんは、「わらもん」レギュラー投稿者、当時大学生でありました。
 
 
 知る人ぞ知る落語「味噌蔵」に出て来る落語フレーズを引用したタイトルのフリペからは、企画の意図が明確に発信され、アンケートやTwitterのシブラク感想が紹介され、ライブを見る前、見た後、全体を眺めるのに必要なデータがそろっていて、知り合いを誘うのに超便利なツールとなっています。
 
 思えば、30年前、渋谷で定期的に開催されている笑いのライブは、私が記憶している限りでは「円山見番寄席」一つでした。コント赤信号の渡辺さんが主催する渋谷ラ・ママコントライブが始まる前のことです。あ、奇しくもシブラク会場と同じ円山町じゃん!!渋谷ジァンジァンや東急109で新作落語の会が始まる以前から有名だったのは月に一度の東横落語会。名人上手が高座にあがるこの会は、落語の基準になっていて、最も多く集客できる会でもありました。まだ1色刷だった葉書大の落語会チラシのオリコミをさせてもらったり、「東京かわら版」を販売するために東横落語会に通ったものでした。
 
 そして時代は、落語冬の時代を経て、いま花盛り。多彩な個性の花々が咲き誇っています。今や渋谷には、志の輔パルコ一ヶ月公演、毎日新聞落語会「渋谷に福来たる」、広瀬和生さんプロデュースの道玄坂寄席、ヒカリエで「東横落語会」があり、いよいよ、それらすべてと趣を異にした個性的な定期落語会シブラクが始まったというわけです。
 
 ヨーロッパの癖のある映画を上映していたスペースが会場、というのも、キュレーターが、東京ポッド許可局(TBSラジオの深夜番組)局員であり、漫才師米粒写経の一員でもある学者芸人サンキュータツオさん、というのも、多様性を受容できる観客層が育ってきたいい頃合い、というのも、すべてにおいて、ちょうどよかった! 時宜を得た企画公演だと思います。同じ会場でコントや講演もあるので、それらの観客がまざりあえばもっといいね!行きやすい時間設定、通いやすいこまかい割引料金設定、ネットを通じたダイレクトな情報伝達、というメリット。観客側から言えば、もと映画館なのでドリンクホルダー付きで背もたれのある座りやすい椅子がらくちん。でも演者側からすれば、前のめりになってもらった方がやりやすいだろうなあ、壁が音を吸収してしまうので、拍手やらの音のかえりは少なかろうから、受けても受けた気がしにくいんじゃなかろうか、といろいろ心配になるけれど、そこはそれ、いろんな空間をこなしてきた芸人さんのこと、いまにこの空間でこそやれる表現が開拓されていくに違いありません。
 
 お客さんも、この空間での反応の仕方を学習していくことでしょう。小屋、主催者、企画者、スタッフ、出演者、観客、みんながアウェー感覚でとまどいながら新たな空間をつくっていく過程を見るなんとも楽しい時間。落語初心者も通も、浪曲・講談初心者も通も、あなたのいまいるその位置で工夫次第でそれぞれいろんなものをお土産に持って帰れるライブです。いまのうちですぜお客さん、「やさしく言ってるうちに、、、」(落語「らくだ」の兄貴分、のちに屑屋の台詞)。
 
 はじまりはいつだって面白い。新しい酒には新しい皮袋。個人的に言えば、なんたって、大好きなアキ・カウリスマキ映画特集を上映してくれた主催者さんなので、大船に乗った気でいるわけです。いつかアキも、「Rakugo=Japanese “sit-down” comedy(ジャパニーズ・シットダウン・コメディ)」を観にくればいいのになあ、なんて。
 
 
■「渋谷らくご」スケジュール  2月13日(金)~17日(火)
 
2月13日(金)
18:00~18:55 「渋谷らくご トーク」(入場無料) サンキュータツオ×射場好昭(WOWOW)  2月の「渋谷らくご」の見どころをはじめ落語の、味わい方について、その楽しみをトークします。
20:00~22:00 「渋谷らくご」春風亭昇々 桂春蝶 神田松之丞** 橘家文左衛門
 
2月14日(土)
14:00~16:00 「渋谷らくご」三笑亭夢吉 笑福亭羽光 神田松之丞** 入船亭扇辰
17:00~19:00 「渋谷らくご」三遊亭遊雀 柳亭市楽 春風亭百栄 瀧川鯉斗
 
2月15日(日)
14:00~16:00 「渋谷らくご」柳家わさび 玉川奈々福* 立川志ら乃 柳家喜多八
17:00~19:00 「渋谷らくご」桂宮治 玉川太福* 立川志ら乃 橘家圓太郎
 
2月16日(月)
18:00~18:55 「ふたりらくご」瀧川鯉八 春風亭百栄
20:00~22:00 「渋谷らくご」立川志の春 立川吉笑 隅田川馬石 桃月庵白酒
 
2月17日(火)
18:00~18:55 「ひとりらくご」柳家喜多八
20:00~22:00 林家彦いちプレゼンツ 創作らくごネタおろし会「しゃべっちゃいなよ」春風亭昇々 昔昔亭A太郎 春風亭吉好 立川吉笑 林家彦いち
 
開場=開演30分前 *浪曲 **講談 出演者は予告なく変わることがあります。
 
【料金】
「渋谷らくご」「しゃべっちゃいなよ」
当日券=大人2500円/学生1900円/高校生・落研1200円/会員2200円
前売券=大人2300円/会員2000円
5枚回数券(6か月間有効/窓口でのみ販売)大人10000円/学生7500円/会員9000円
 
「ひとりらくご」「ふたりらくご」
当日券=大人1200円/学生900円/高校生・落研600円/会員1100円
前売券=大人1000円/会員900円
 
□会員=ユーロスペースおよびシネマヴェーラ会員
□当日券は開演1時間前より販売
□全自由席(178席)
□券面記載の整理番号順に入場
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
かつての「笑っていーもんかどーか」執筆者&愛読者 300
落語は爺さん婆さんのものとなめてる同僚を 150
小さなライブハウスには勇気がなくてというライブ初心者を 200
腰痛、肩凝りが未だに治らない真面目お嬢さんを 120
慣れぬ営業仕事で人間不信に陥ってる友を 170
 
 
【リンク】
 
 
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もくじ
(その39)つつかれに、笑いのドリル「渦」にふらっとね。

(その38)いま、世界中で東京の巷が一番面白い宣言!

(その37)ギネスに載せる?女性3人コント28周年、だるま食堂

(その36)ユーモアエッセイスト、門戸の広い落語家、三遊亭兼好さんの謎

(その35)四つの歯ごたえ、落語アルデンテハーモニー

(その34)鉄道と落語、相互乗り入れで人生に乾杯!古今亭駒次

(その33)意味はあなたの中にある、加納真実さんの時間!

(その32)カンカラ三線一丁、出張出前、岡大介さん

(その31)滑稽がやどる体、パントマイム山本光洋の巻

(その30)はじまり~渋谷定期落語会、へんてこからオーソドックスまで

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