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2014年02月17日(月曜日)
(その19)お、そこから!?百栄落語と歯車合わせ、チャレンジのすすめ
 
 生涯、会社勤めは1年間しかしたことがないので、これは想像の域を出ないのですが。私がOLだったとして、終業間際になるとそそくさと帰り支度。
 と、同僚もしくは上司が
 「今日はそんなに急いでどこへ行くの?」
 と、聞かれて
 「落語会なんです」
 と、昔はとても答えられなかったそうです。
 「いえ、ちょっと。。。」
 と、言葉を濁したそうです。
 
 今はあれ(30年前)から比べると落語はたいそうな市民権を得ています。「今日は誰を聞きに行くの?柳家?三遊亭?立川流?寄席?ホール落語?」
 なんて、昔ならマニアックに思われた質問だって出て来そうな勢いです。
でもまだ
 「ももえちゃんを聞きに行くんですよ」
 とまでは答えられない。
 
 誰それ、女の人?え、男?落語家さんにチャンって、失礼なんじゃないの?
 いえいえ、れっきとした真打ちで50歳を越えているのに、ももえ師匠とは呼ばれたくない変わり者落語家さんです。
 正式には、春風亭百栄、シュンプウテイモモエ。
 
右から、百栄ヘアスタイルの変遷(今はまた違っています)
(右から)マッシュルームカット、お手入れなしヘアー?、パーマをかけました
撮影:山田雅子
 
 じゃあ、師匠は誰?春風亭栄枝(えいし)と言ってもますます混迷は深まるばかり。
 後に師匠と弟子になる二人の出会いはロスアンゼルスの寿司バー、とこの話をしたら長くなるのでそこは割愛。
 
 変わった出会いでありながら、中学生のころから落語テープを聴きまくる静岡ののんびりやさんは、一筋縄ではいかない落語をつくります。
 大量のカセットテープを聴きまくっていただけあって、古典落語のリズムや調子、醸し出す世界に人一倍憧れ育ったのですが、あるときふと新作をつくってみたら、今までの新作落語史上にない作風で、好事家の目にとまり、席亭の目に止まり、今や百栄菌に感染した中毒者が増殖中。
 
 恒例、年に一度の上野鈴本演芸場トリ、2月上席夜の部(1~10日)でかけたネタは「バイオレンス・スコ」「どら吉左衛門之丞勝家」「船越くん」「天使と悪魔」「芝浜やりた~い」「一人酒盛」「桑名船」「疝気の虫」「キッス研究会」「露出さん」。 どうです?いくつ御存知?
 
 変なパーマ頭でずるずる登場、通る声で紡ぎ出されるマクラに意表を突かれ、だまされ、罠にはまり、気がつけばきっとモモエワールドで遊んでいる貴方。鈴本という落ち着いた寄席が大雪でお休みになった翌日、一日のうちで2度も高座にあがるというスペシャルW百栄ナイトには、SNSで嗅ぎ付けたファンが大集合、打てば響きすぎる若者(中学生から熟年まで)らによる力強い拍手は、いいか悪いかは別にして(笑)寄席を一日ライブハウスに変えました。
 
 こりゃあ、落語知らずをもっともっと誘えるチャンスです。
 落語を、しんきくさい物語をじっと聴いてなきゃいけない、ルール知らないうちら無理、と食わず嫌いの方々に百栄落語から入る事をおすすめします。
 
 でも好き嫌いがありそうだから誰にでもおすすめできるわけでもないので要注意。
そうだなあ、なにを指標にしたらいいのでしょう?
 犬好きよりも猫好きがはまりそうな予感。
 笑わされるより自主的に笑いたい方に向いてます。
 
 あっ、そうだ!気付いた!
 ぼっーっと聴いてたら芸人さんがなでなでしてくれてこそこそくすぐってくれて笑わせてくれるのが落語、って思ってるから、進取の気性に富む方は落語って退屈なものと決めつけて、その手は桑名の焼き蛤とか思ってんじゃないの?
 
 なら、百栄落語は違うから。
 新しい脳の回路をつくってくれて、明日から楽に生きてくのに新たな道具を持たせて帰してくれる、言えば、ま、そんな感じ。
あなたのチャレンジ待ってます。
時代の夜明けは、一つ一つのチェンジから。
 
 
●2月22日(土)「我らの時代、落語アルデンテVII/鯔背アルデンテ」
先輩後輩とともに、百栄さんが異色ぶりを発揮しそうな会。
出演者の出身は、鹿児島、会津、野田、静岡、と見事にみな江戸っ子じゃないんだけど、、、鯔背(いなせ)が読めなかった人もいるんだけど、、、どうなることやら。粋って何?オツって何?鯔背って何?
☆残席少。
会場:日本橋三井ホール COREDO室町5階
時間:18:00~
出演:桃月庵白酒、春風亭百栄、三遊亭兼好、春風亭一之輔
料金:3800円 1ドリンク付き 全指定席
問合:03・5785・0380夢空間
 
●2月23日(日)「ももちゃれvol.6 」
百栄がチャレンジの略、ももちゃれ。
わりかしネタおろしの多い勉強会、でも当日の気分でどうなるかスリル満点の会。
予約なし、当日行って開場前に並んでみるしかないのですが、間近にリアルな百栄さんを見られる!ディープな会。
落語協会のあるビル、名所旧跡を尋ねるような気分で出かけてみるのもオツですな。
終わると、勝手知ったるお客さんが座布団を片付けてたりする、百栄さんが自ら動いてそっとひっそり自主興行、手作り感満載。
場所は自主的に調べて行きましょう。
会場:落語協会2階和室
(台東区上野1の9の5 銀座線上野広小路駅より徒歩5分 千代田線湯島駅より徒歩2分)
電話問い合わせはご遠慮くださいませ。
時間:18:00~
料金:2000円 座布団自由席
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
寄席って年中無休でやってるんだってねえ、それってライブハウスじゃん、という友を 150
「全国で一番汚いモモエです」つってたマッシュルームカットの人?という程度の知識のある人を 130
ワンシチュエーションコントにこだわって台本を書く練習してる人を 120
聞かれたらたちどろこに筋が浮かびオチが口をついて出て来るネタは100あるという方を 200
彼女がももえちゃんかわいいって言うのでどんな奴か見てやろうじゃないの、という彼を 170
 
 
 
 
2014年01月16日(木曜日)
(その18)ダメじゃん小出の鉄道大好き、トークは続くよどこまでも
 
 いまの20代の人たち、車や宝石や毛皮や家をほしがらないと聞きます。
 素敵。
 
 うちら団塊の世代は、そういう財産になるものを一つでも手に入れるのが一種のステイタスであり、生きる目的のような感がありました。物欲に煽られた高度成長ってなんだったんだろうなあ。誰に煽られて焦ってたんだろうなあ。
 
 これからは、減速社会にならざるをえないし、好きなことしてそこそこ生きていけたらいい、という真っ当な幸せの基準がスタンダードになってくでしょうね。
 
 ここで、「好き」が問われる時代に突入いたします。ほんとは「好き」ってこっぱずかしい。でも、これが仕事となったらもう堂々としちゃうよね。
 
ダメじゃん小出/撮影:橘蓮二
 
 御本人は「ゆるテツ芸人」と称していますが、鉄道のこととなると目の輝きが断然違ってくるダメじゃん小出さん。
 
 そもそもは、優秀なジャグラーであり、嘘でもポジティブ!と小さくジャンプしながら世相を斬るブラックトークも小気味良いパフォーマーだったのですが、年に一度、お正月に大好きな鉄道について語る、その名も「新春18きっぷ」というトークショーを始めたところ、これが大笑いの大当たり。
 
 1回目は、会場入り口で御本人がスタッフさんのお兄さんから借りて来たという本物の改札員だか車掌の帽子をかぶり、硬券(こうけん・昔、鉄道に乗車する際に使われた硬めの鉄道チケット。改札口で係の人がいちいちハサミを入れてたんですよ、そこのお若いの!)に、ハサミをカチカチさせながらパンチを入れてましたっけ。まあその嬉しそうな様子ったら。
 
 最初はおずおずとした滑り出しでした。だって人はほんとに好きな事を語るとき、口ごもるものですよね。わかってもらえなかったときの落胆を予想して。恋人に告白するのと同じような気持ちだったのではないでしょうか。
 
 好きな鉄道噺が暴走して、客席と温度差が生じることを危ぶみ、少しずつ少しずつ加速する様子が見えました。このとき、大道芸体験が生きました。
 
 客席との距離の縮め方、放し方を徐々に会得、今やすっかり感情のキャッチボールができるようになり、ときに見せる小出列車の暴走をお客さんが心待ちにするほどになりました。「好き」を語る人を見てるのは楽しいです。◯◯形とかNゲージとか専門用語が飛び交ってぽかんとしても、この用語にはよほどの愛着があるらしいと客席が感じてほのぼの一体感が生まれればそれでいいのです。
 
 落語で「へっつい」とか「もやってある」とか「おつけの実」なんて知らなくても文脈からなんとなくわかる、そんなことなんじゃないのかな。東京の鉄道事情をフリップで説明したり、自らも含めたテツの尋常じゃない熱狂を皮肉ったり、廃車になる鉄道乗車体験ルポを哀切を込めて語ったり。そしてジャン!出ました、作りました、鉄道にまつわる人情物語が。
 
 鉄道が好きで好きでたまらない弟と兄の物語。思い出しただけでも私は涙ぐみます。子供のころの体験と、今はお父さんになった小出さんが重なって、悲しい苦しいでもあたたかい物語がレールの上をガタンガタン、ガタンガタンと進みます。
 
 さらに、その語りを買われて、210年前、鎖国の時代に「若宮丸」という船で世界一周した日本人の冒険談も語り出しています。  
 ブラックトークで発揮される鋭い切っ先、人情物語で見せるほのぼの、テツトークで見せる熱情、なんやかんやがまざりあってまだまだ追加車両をドッキングしつつ走り続ける小出車両。流れ往く車窓表現者の舞台、乗り放題の小出列車にぜひ一度御乗車を。
 
1月25日(土)「ダメじゃん小出の黒く塗れ!vol.22/新春18きっぷ」
会場:横浜にぎわい座地下1階のげシャーレ
出演:ダメじゃん小出
時間:昼の部14時開演/夜の部18時開演
料金:1500円 自由席
問い合わせ:横浜にぎわい座(電話045・231・2515)
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
幼い頃から鉄道大好き、でもこの思いをどう人に伝えればいいのかわからず悶々としてる人を 150
彼が、兄が、お父さんが、実は鉄道好きだとわかったけれどどう対応すればいいかわからない人を 130
青春18きっぷを利用して旅したことある人を 120
彼女の部屋におよばれしたら、鉄道グッズで埋め尽くされ、ちょっと引いたという人を 200
鉄道には興味ないけど、それで笑いが取れるのか見てやろうじゃないのという人を 170
 
 
 
 
2013年12月17日(火曜日)
(その17)「オオタスセリ☆台本劇場」のち、年末バラエティショーはいかが?
 
 小さなライブって、つまるところ、その人の生きようを見に行くってことになります。12月初め、下北沢の小さな劇場「楽園」での5日間8公演「オオタスセリ☆台本劇場」は、題名通り、オオタススセリ台本によるコントを中心にした、スセリ八面六臂の凄まじい舞台でした。
 
 劇場との交渉に始まって、企画、チラシづくり、DM、日替わりゲストのセッティング、台本、演出、稽古、メール予約受付、音響照明スタッフへの指示に食事の心配、差し入れへのお礼、あるときは客席への誘導、前説、入場料や物販の釣り銭に打ち上げ手配にいたるまで、176センチの体がこまめに動くさまは、ブルドーザーがミニバイク化したようでありました。
 
 リアルに笑わせるかと思えば、怖がらせ、しんみりさせ、ナンセンスに走ったかと思えば、時事ネタもはさみこみ、ギターをかき鳴らし、歌い、吠え、舞台を転げ回りと千変万化、百花繚乱、言語道断、横断歩道。そんなスセリ怪獣を迎える会場「楽園」の客席はと言えば、大きな柱をはさんで左右に別れた不思議な形。舞台をはさんでお客どうしが顔を見合わせ笑い合うという特殊な体験ができる小屋です。今はなきライブハウス渋谷ジァンジァンを知る人にとっては「あら、懐かしい!」と歓声をあげたくなる空間です。
 
 日替わりゲストは、なんらかの偶然もしくは必然で知り合った方々が招かれ、その脈絡のなさは特筆に値するほどで、毎日飽きる事がありません。初日は、時事ネタも入った朝のラジオ体操をする古参事務員、ウエディング衣装の花嫁、女流作家などに扮したスセリ一人コントの合間に、ゲスト、女優水戸部千希巳さんが、押さえた声音で上品で残酷な女の一人芝居「善人」を。夜のゲストは、島倉千代子さんが亡くなる3日前に録音した「からたちの小径」のアレンジャーのギター弾語り、佐久間順平さん。
 
ゲストの佐久間順平さんと 実人生では着たことないウェディングドレス衣装でコント
 
2日目夜、永六輔さんは決してメディアでは披露できない鉄板大爆笑話を。
3日目夜は、義太夫三味線の田中悠美子さんとソプラノ歌手荻原かおりさんが前代未聞な組み合わせでからみあい「ペラペラ・オペラ・ノッテ」。
4日目昼、84歳の田中和子さんは「外郎売り」を語り終え、夜のこーすけさんは、ボイスパーカッションからジャグリング、デビルスティックで場内を湧かせ、
5日目昼、柳家紫文さんは三味を片手に音曲で江戸の風、かっこいいったらありゃしない。夜の伝説の芸人、九十九一さんは、電気も水道も電話もとめられた男の一人コントでじっくり見せました。
 
ゲストの永六輔さんと打ち合わせ
 
 しかも、2・4・5日目、ゲスト以外の時間は「Big&Small」と銘打って、大きいオオタスセリと150センチの小さい声優田中真弓さんとの二人コントが全開、熱唱あり、道化あり、シリアスコントあり。ルフィの声でおなじみの田中真弓さんが、「ワンピース」の場面を再現すればお客様驚喜、さらにハゲカツラ役は言うに及ばず、オオカミに蛇に、世をはかなんで自殺を試みるも幽霊になって出て来た母に励まされ生き直す決心をするコミカルな女にも挑戦。
 
Big&Small、まさにの風景 176cmと150cm
 
 スセリさんは、幽霊、酒場「サザンクロス」の店主、ぶっとんだ歌手ナンシー、などなど、入れ替わり立ち替わり、全体が世にも不思議なバラエティショーになっておりました。ラストに、田中真弓さんオリジナル曲♪一つ一つのしわって素敵と「しわ」を熱唱して、大団円となりました。
 
田中真弓さん、熱唱「しわ」
 
 実は、田中和子さんはお母様、こーすけ君は息子さんという田中一家も大活躍な公演でした。
 
 コントやゲストの台本を書き、演出、構成、出演を成し終えた「表」スセリさんもすごいけど、それよりなにより、鎌倉という遠方からやってきて、24時間出入り自由で珈琲OKというリーズナブルなホテルをみつけ小屋に通って、遮二無二この公演をなしおえた、「裏」オオタスセリ公演遂行台本に乾杯ブラボーです。
 
 連日満員になったとて採算をとるのがむずかしい小さな舞台、でもだからこそ、次のステップへの活力、智恵をしっかり吸収、そんな過程をお客様もドキュメントで見届けるライブの醍醐味、鑑賞じゃないまるごと人生参加型ライブ、一度はまったら病み付きになることでしょう。実人生が舞台です。
 
※写真は公演リハーサルの様子です。腰ベルトを巻いて頑張ってます、オオタスセリ。(撮影:都筑淳)
 
 
そんなオオタスセリも出演する、これはまた摩訶不思議な舞台の御紹介。
12月29日(日)
「第13回年忘れ演芸音楽会 ~原発反対 ユーモアでおもてなし~」
浅草:木馬亭
司会・マイム/福岡詩絵、世界指揮者人名事典/好田タクト、冗談CM作家/へんてこりん、笛吹き/こと、プリンのため息/田中悠美子、音楽コント/オオタスセリ、打楽器コメディアン/山口とも、マンガ漫談/マンガ太郎、おかしなヴァイオリン弾き/福岡詩二、雑音コンサート/全員
※開演前には、福岡詩二の大正演歌弾語りあり
前売り2000円、当日2500円
予約:オフィス詩 電話042-482-0194  ファックス042-480-1805
(御予約の際は、「まいまいクラブで見ました」と一言お伝えくださいませ)
メール:suseri524@yahoo.co.jp
 
 
<誘っていーもんかどーか度(100点満点で)>
電話1本、メール1本ですぐに予約できるよ。近頃はチケットの取り方がわからなくてという方を 130
まわりはサラリーマン、OL、公務員なので、そうじゃない人たちの生き方を見てみたい方を 180
原発反対だけど、笑いもまじえて伝える方法を模索中の方を 150
権威、ブランド、が苦手という方を 300
普段は浪曲の定席らしいけど、一度入ってみたかったという方を 170
 
 
 
 
2013年11月14日(木曜日)
(その16)あなたと相性いい笑い見本市、笑って死ねりゃ本望さ。渦「32」
   
 気がついたら、ほんとに夢がかなっている。
 
 私が30代の頃、笑いはほとんどテレビの中でした。特に、80年代は漫才ブームというのがテレビの中を席巻していましたから。30代、いっぱしの大人のつもりでいたから、笑いの現場はせいぜい30代までで、先々のことを考えたら、50代60代で笑いをする人なんているわけないから、そうなったら私は何をしてるんだろうな、ほんとは年取ってからこそ笑いをする人がいれば面白いのにな、って夢のように思ってました。
 
 そんな中、唯一落語の世界は年をとっても仕事していけそうではありました。でも、その頃は、落語冬の時代で、ひとつまみの落語マニアに支えられているだけで、落語はかなり特殊なものでした。それがどうですか、今や、落語家の二つ目、いえ前座でも会をすればお客様が来てくださる、ありがたい時代です。
 
 落語とテレビの関係を思うとき、落語はやっぱりテレビには合わないね、という諦めがあったおかげで落語は幸運にも生き延びられたと、私は思っています。独自に生きる道が整えられたのでした。地道に人とつながり、一人から一人へ、言葉が手渡され、感情が交歓され、直接感じる舞台の大切さを守ってこれました。スポンサーやメディアに左右されることなく、じかにお客様と接して来たから、ネットとも相性のいい芸能になったのです。
 
 言葉を扱う芸能なので、感想も批判も溜息もネットの波にのりやすかったのです。何百とあるネタの数々は学習意欲も誘います。演者の成長、演者やネタの知識、情報を蓄えれば蓄えるほどますます面白くなったりもしますしね。
 
 こんなふうに、人の話を生で聴く習慣がついた人たちが増えるってことはですよ、じゃあ、寄席で落語の合間にはさまっている「いろものさん」を見たい人だって増えるんじゃない? と思いました。
 
 さらに、寄席のいわゆる「いろものさん」だけじゃなくって、まだジャンルに名前がついてない人たちの舞台だって、みんな、見たくなるんじゃない? と。
 
 先日、女性3人が26.5年も笑いのユニットを続けている、コントだるま食堂の舞台を見ました。会場は、なんと演劇人が一度は踏みたい舞台、下北沢の本多劇場です。その経歴を見ると、演劇から出発し、ストリップ劇場にも出演、テレビ演芸番組のチャンピオンになり、ライブハウスに寄席に居酒屋に芝居小屋にと場所を選ばず、たくましくコントを見せ続けてきた3人です。熟女と言いながら、まさに笑いをするにはちょうどいいお年頃になりました。
 
 若い女性が人生を笑っても、無理してる感は否めません。見てる側が、ようやく無理せずに笑える年齢になりました。同情せずにゆったり一緒になって、かんらからから笑えるコント師になりました。
 
 
「回転寿司」
舞台写真:しばやん
 
 オープニングは、黒い衣装で頭に白いものをのっけた女性二人が歩調を合わせて歩いてきます。一緒にくるりと曲がったり回ったり。なんだろうこれは? と設定をまず考えさせるのがコントの面白さです。会話から類推するとどうも二人は情けない状態にいるらしいということがわかって来ます。二人が規則正しく、しかし不機嫌な様子で歩いているとき、奥からキンキラキンの衣装で現れた女性の頭の上にはなにやら赤いものが。自信たっぷり、愛され感満載、華麗なステップで歩き出し1周したかと思うと、あれえ~、とソデへ引っ込んでしまいます。そうか!回転寿司だったのです。白いのをのっけた二人は不人気なイカ、赤いのをのっけたキンキラ衣装は大人気のマグロ。衣装の色はお皿の色だったのですね。
 
 そう言えばこの会のタイトルは「だるま食堂の凹凹大回転」!!設定がじわじわわかってくる面白さ。この、自分の力でわかってくる快感がコントの醍醐味です。あ~、そうだったのかー、と会場は爆笑につぐ爆笑。その後も体を張った演技が続きます。
 
 いい年してるからしんどいはずなのに、ハアハアしながら踊り、歌い、転げまわります。3分しか踊れない歌えない架空のアイドル「スリーミニッツ」は、更年期障害を歌い、政治を憂えもするのです。この日はロビーで「スリーミニッツ」のCD+DVDも新発売になりました。
 
 だるま食堂は言いました。車椅子になってもやりますよ!と。杖をついて車椅子でふがふがしていても、人生を笑えればこんなに楽しいことはない。笑って死ぬのが最高じゃないでしょうか? 笑わせて死ぬのはもっと最高かも。
 
 かつては、テレビに出るための前段階として所属タレントが出演する事務所主催のライブが大半でした。でも今は違う。ライブで見せる為の笑いの現場があるのです。そんな人たちが個性丸出しで揃うのが「渦」。
 
 見なきゃわからない、説明のつかない方々、一癖も二癖もある方々が集まります。メディアによりかかることなくクチコミで広がる笑いの現場。もの言う人たちやシーンはこういう現場からしか生まれないしね。
 
 
右上から時計回りに「バス停にて」「水泳教室」「嫁姑大回転」「スリーミニッツ」
舞台写真:しばやん
 
<渦32>11月21日(木)~24日(日)
昼14:30~(日曜のみ14:00~)夜19:30~(日曜のみ18:30~)
会場:しもきた空間リバティ 電話:03・3413・8420
料金:3000円(自由席/予約者優先入場)
※ただし11月22日(金)夜と23日(土・祝)昼の「ナギ渦」は2500円
予約問合:件名「渦32予約」 Eメール( uzumarishiro@icloud.com
電話 03・5856・3200(渦産業)まで。
 
◯11月21日(木)夜
 「鉄渦10」
寒空はだか、ダメじゃん小出、古今亭駒次
 
◯11月22日(金)夜と23日(土・祝)昼
「ナギ渦」
ナギプロ・パーティ2公演
「さらば愛しのマフィア スペシャル ~黒いスーツのかわいいおじさんたち~」
作・演出/凪沢渋次 <中澤功(サモ・アリナンズ)、しろたてるひさ、木下昌直、凪沢渋次、相馬佐江子、田辺麻美、村田留美子 ほか>
 
◯11月23日(土)夜
「虹渦」
キン・シオタニ、遠峰あこ、バロン、加納真実、だるま食堂
 
◯11月24日(日)昼
「ほぼオッサン渦」
ペーソス、上野茂都、ナオユキ、とんちピクルス、ハッチハッチェル
 
◯11月24日(日)夜
「喋り渦6」
松元ヒロ、山田雅人、林家彦いち
 
 
<誘っていーもん度(100点満点で)>
ひな壇でさあ、仲間内で盛り上がってるだけじゃんか、お笑いってさ、という方を 120
文房具でもバッグでもキッチン道具でも新しもの好き、面白いものみつけるのが好きな方を 200
同窓会に行ってみたはいいけれど、亭主と子供の話ばっかでアンタの考えは?と言いたくなった方を 150
人生綱渡り、と言いながら楽しそうに過ごすオッサン大好きな方を 300
正義感に燃えてデモ疲れでそろそろくたびれてる友を 170
 
 
 
 
 
2013年10月04日(金曜日)
(その15)寄席へようこそ、「寄席演芸家名鑑」をたずさえて
 
 
 ジャンルが違えば、知ってる人は知ってるけれど知らない人はまるで知らないという、ま、あたりまえのことがよくあります。この世界(私の場合、演芸界)に長くいると、当然と思っている事が世間では特殊な知識だったと気付きます。
 
 寄席をキセキと読んだ人がいたとき、あまりのことにびっくりしたけれど、よく考えたらヨセと読めという方に無理があるかもと反省しました。「寄」の一字を「ヨ」とは、普通読みませんもん。寄生虫の寄、寄宿舎の寄、キ、ですもんね。さらには「席」の一字を「セ」とは、普通読みませんもん。出席、座席、酒席の席、セキ、ですもんね。で、この寄席という言葉がまた曲者で、落語会のことを寄席だと思ってる方もたくさんいらっしゃる。
 
 そりゃそうです、落語会や演芸会に、公演名として○○寄席という名称がつけられてることが多いものですから。ほんとのこと言うと、寄席とは年がら年中、落語家といろものさんが出演しているライブハウスみたいなもののことなんですね。
 
 「いろもの」さんとは、東京にかぎって言えば、曲芸、漫談、講談、手品、紙切り、などなど、落語と落語をつなぐ役割をする、落語以外の演芸をさします。たとえば、ライブハウスで、ミュージシャンが何組も出演する時、タイバンすると言いますが、言って見れば、寄席は年中たくさんの演者がタイバンをしてる演芸ライブハウスとも言えるでしょうか。
 
 で、ライブハウスと違うのは、出演者が必ず落語協会と落語芸術協会という組織に所属していること。もっとも、協会員の紹介で、ゲストとして所属していない人が稀に出演することもありますが、レギュラーではないのです。寄席には出ない立川流、円楽党、そしてフリーの演芸家もいますが、この話をしだすと長くなるのでここでは割愛。
 
 いま、演芸界は、はっきり言って熱くてすこぶる面白い。
 
 年配者には、文楽も志ん生も円生も談志も志ん朝もいないし、かつてのように落語家が出てるテレビ番組もラジオ番組も少ないし、と言われそうですが、いえいえ、いまほど生の舞台が活況を呈したことはかつてなかったと思います。この幅の広さと深さは、落語史上、演芸史上、一番じゃないのかな。
 
 古典、改作古典、新作を演ずる落語家が目白押しで、寄席以外に自主的に落語会を催す主催者の種類も数も増え、日本で唯一の演芸専門情報誌「東京かわら版」に掲載される情報量、広告量を見ればかつてないにぎやかさです。しかも、以前だと、寄席に電話をかけて「○○さんは今日は御出演でしょうか?」と聞いてから出かけたものでしたが、ネットの普及により、寄席に誰が何時に出て、代演は誰かということまでことこまかにわかるのですから、お目当ても追っかけやすい。
 
 それでも、寄席は敷居が高いと思ってる方に断言します。全然、そんなことないです。自由に料金を払って、自由に入ればいいのです。
 
 いま、各寄席はいろんな企画を立ち上げ、観客層の幅を広げる努力をしています。鈴本では、この夏は柳家喬太郎さんが主任(トリ、最後に高座にあがる人)となり「喬太郎 夏のR―18~良い子は20時までっ!~」と銘打って大人限定という枠を設け固定観念にとらわれない落語を高座にかけ、大入り満員。
 
 秋には古典の名手桃月庵白酒さんが「ほほえみ残暑見舞い~白酒の裏切り~おはよう新作、おやすみ古典~」となんとも魅力的なタイトルで新作落語を高座にかけ、こちらも大入り満員。
 
 この期間、4席の新作落語を見るべく4日通ってみましたが、客席が若い!反応が早い!もう、落語はジジババのものだなんて言わせない。
 
 ホール落語会がおいしいとこ取りの豪華定食なら、寄席はさまざまな色合い、味を賞味できるバイキングみたいなものです。ホールで見て気に入った落語家さんに魅かれて寄席デビューをした方も多かったことでしょう。なんだ、寄席って思ったより自由に入れるじゃん、と納得した方も多かったはず。ホールで見たときとまた一味違う寄席の落語家さんのたたずまいに新たな魅力を発見した方もいたことでしょう。
 
 寄席は流れを大事にします。
 
 早い時間には、入門したての落語家がさわやかに稽古してるさまが見られますし、合間にはさまるいろものさんの軽妙なつなぎかたに唸ってるうちに、時間が遅くなるといよいよ実力のある方々が高座にあがります。
 
 落語家の数だけ落語の風合いがあり、自分は誰との相性がいいかな、と見定めるのも楽しいし、通ううち、早い時間にあがっていた若手がどんどん後にあがるようになるのを見届けたり、客層によって微妙に噺(はなし)の間やギャグや調子を変えてくるのがわかったりし出すと、もう病み付きになるでしょう。
 
 その日の流れによって、最後に上がる主任(トリ)は、全体をしめくくる重要な役目を担います。まずこのトリを決めてから、他の出演者をどう組み合わせるか、どういう流れにするかが決められます。この流れを楽しめるようになれば、すっかりあなたは寄席通です。
 
 演劇や映画と違って途中入場でも大丈夫なのも寄席のいいところ。最後のトリ以外は、一人の持ち時間が15分~20分なので、後から入ってもちょっとだけ後ろで立って一人のコーナーが終わるのを待って座ればいいのです。それに、入る時間が遅ければ割安料金になったりもしますしね。鈴本の場合は、席に座って前の机をあげさげするときに大きな音が出るので、コーナー終わりにいたしましょう。末広亭では、空いてる席を係の方が素早くみつけて誘導してくれます。池袋演芸場では、前から入ることになるのでちょっと恥ずかしいけど。浅草演芸ホールでは、芸人さんとお客さんの入り口が一緒なのでさっき高座で見た芸人さんとばったりということも。 
 
 そしてここに寄席の楽しみが2倍にも3倍にもなる、「寄席演芸家名鑑」(1890円税込み)が東京かわら版増刊号として発売になりました。
 
 
東京かわら版増刊号「寄席演芸家名鑑」
 
 なんとカラーです!演芸人が網羅されています。写真つきで、名前、入門時期、師匠、身分、本名、生年月日、紋、出囃子の種類、血液型まで掲載されているすぐれもの。これ一冊あれば、出演者への興味もましてどんどん演芸世界にのめりこめようというもの。師弟関係図、これも便利、どの人とどの人が一門でどっちが偉いかなんてのも一発でわかります。ふふ、第一、私が便利!
 
 さあ、秋から冬へ、暮れから正月へと、忙しくなりますぞー。
 
 
 
<誘っていーもん度(100点満点で)>
寄席ってじいさんばあさんが行くもんなんでしょ、という方を 120
ぺぺ桜井が好きっていう友達がいたんだけど、どこで見られるの?という方を 200
教師をしているのですが、いまひとつ、人をぐいっと短時間に掴めなくてという方を 150
定年も過ぎたことだし、若いので有望なのをみつけて祝儀の一つもはずみたい方を 300
おつきあい未満の彼の笑いのツボを知りたいあなた、誘ってみましょう 170
 
 
 
【リンク】東京かわら版
【リンク】鈴本演芸場(上野)
【リンク】末広亭(新宿)
【リンク】池袋演芸場
 
 
2013年08月30日(金曜日)
(その14)落語世界を広げる、三遊亭円丈、白鳥、師弟の会
 
 最初はお客さんでしたが、見た会の報告を週刊誌や業界誌や新聞に書くようになり、そうなると、実際に中に入ってみないとなにか的はずれなことを書いてるかもと心配になり、業界誌編集、会の切符もぎりやチケット売り、広報、チラシオリコミなどのスタッフを経て、今は、好みの会を企画制作するようにもなり、こうしておすすめの会を書かせてもらうようにもなりました。
 
 いろんな立ち位置で落語会やライブに関わってみて思うのは、立場によって見方がまるで変わってくるということですね。
 
 業界に知り合いも多くなり、日本で唯一の演芸専門誌「東京かわら版」の情報をざっと眺め、会のチラシや情報の流し方をチェックすれば、たいがいの会の成り立ち、裏事情が類推できるようになりました。
 
 その会が演芸界、ひいては今の社会全体においてどういう位置づけになるのか、がほぼわかるようになったのです。
 
 そんな状況の中で、私が一番心がけているのは、事情通ガードを張り巡らさない事です。
 
 誰かや何かと比べるのではなく、初めて見たような感覚でいられるように。
 
 これが実にむずかしい。
 
 すでに頭の中に積み重なってしまったデータを抜き去ることはなかなかできません。
 
 なので、お客様の反応や、あの人だったらどんな思いを抱き、この人だったらどんな印象だったのか、を聞いたりします。
 
 伝統のある落語の世界は、演者にも常連のお客様の頭の中にも過去の財産がいっぱい詰まっています。
 
 それらを払拭して、初心者の目で高座を見てみる、演者とお客でつくっている空間を素のまま肌で感じてみる。
 
 今までにあった自分の物差しを脇においてみる。
 
 これは言ってみれば試練です。
 
 ほっといたら、過去のデータと比べようとする自分の頭が情けない。
 
 歪な頭をほっぽって、まんま高座に向かいたい。
 
 …… と、なんかむずかしげになってしまいましたが、特に、今回おすすめする円丈白鳥の親子落語会にはこうした態度でのぞむのが肝要かと思いまして。
 
 
 
 
 要するに、おもしろーいと素直に笑えるかどうかだけなんですけどね。
 
 三遊亭円生に入門し、幾多の伝説をつくり、円生襲名問題でも世間をちょっとだけ湧かせ、一番弟子には創作落語の鬼才三遊亭白鳥を弟子に持ち、この秋は三遊亭天どんがめでたく真打ち昇進という、三遊亭円丈師匠。
 
 国立演芸場の客席をランニング(今ならタンクトップですね)姿で走りまわり、秋川渓谷ツアーでは弟子に川に流されながらの小噺をやらせ、渋谷ジァンジァンでは水飴をねじりながら現れ、お客に渡したり(受け取ったのは私)。
 
 弟子の白鳥は、座布団をそば粉に見立ててこね、でんぐり返りながらソデへ引っ込み、かと思えば、飛行機に乗ったつもりでお客様と一緒に右へ左へ体を揺らしダイナミックなお客参加型落語を誕生させ。
 
 笑わせるためにはどんなことでもやってみる闘魂。
 
 円丈の「白い螺旋階段」なんぞ、ミミズが女の子に恋をする話ですから。
 
 「遥かなるたぬきうどん」なんて、山のてっぺんで開店したうどんやをめざし、お客がガシガシロッククライミングまでして食べに行く話ですから(写真)。
 
 「居残り左平次」「百年目」などの古典作品を高座にかける時は、まずお客様にカウントダウンさせて眼鏡をはずす儀式があるのですから。
 
 白鳥の「砂漠のバー止まり木」は、砂漠に残された魚の謎が説かれる歴史物ですから。
 
 円丈登場後、こんなことやってもいいんだと後から新作派が続々現れました。
 
 登場人物を、江戸時代から現代に持ってきただけではなく、落語の枠組みを根底から疑ってかかる魂。
 
 常々、幅広さ、奥深さでは、漫画と音楽のジャンルにはかなわないなあ、と思ってきましたが、円丈いわく「話芸の曲芸」である落語だって負けてはいません。落語のこんな多面性を知れば、もっと落語人口は増えるだろうになと思っています。
 
 だって、昔はもっともっと変な落語家さんがいっぱいいたんですもの。
 
 円丈落語が、落語ビギナーがいっぱいの地元名古屋大須演芸場で、客席がひっくり返るように受けたという噂を聞きました。
 
 そうだろう、そうだろうと、私は大きく頷きました。
 
 落語の地平線をどこまでも、おーい!と追ってはるか彼方まで飛んでく師弟をぜひお見届けくださいませ。
 
 
<誘っていーもん度(100点満点で)>
落語ってむずかしいんでしょ?予習しなくていいの?とビビる方を 150
子供と一緒に絵本を読んで童心にかえること多くなったお母さんを 170
物語をつくることが大好きで漫画をかたときも手放さない友達を 200
カ、カ、カ、カ、掛布さん、の円丈CMを覚えている人を 300
自分は粋じゃないし、情緒がないし、と謙遜して落語から遠ざかってる人を  160
 
 
●9/18(水)「三遊亭円丈・白鳥親子会。円丈の骨、白鳥の肉。むたび」
三遊亭円丈、三遊亭白鳥
19:00開演 3600円 国立演芸場
夢空間03・5785・0380
 
は~い、すすんでまーす
つくってま~す、落語道
古典、新作、改作
練って直してまた練って
いまを切り取る笑いの海の
水平線の彼方まで
落語平野の地平線の彼方まで
空にはためく闘魂の旗
燃える紅葉の色に似て
 
 
 
 
2013年07月24日(水曜日)
(その13)たった一人でマイク1本、4つのトークスタイル「清瀬つながり亭」
 
 今年の夏は、明らかに夕方からの通り雨が多いよな、と思っていたら、今日も今日とて(7月23日)、こらもう、通り雨どころか、豪雨やんか、えらい降りように大阪弁になってもうたわ。すさまじい雷のあとのどしゃぶり一過、涼しい夕暮れがやってまいりました。
 参議院議員選挙も終わり、みなさまいかがお過ごしでしょうか。開票と同時に当選確実になる候補、日をまたいで接戦、しのぎを削る比例代表候補。政治産業というか、政治屋とでも呼びたいような、プロの政治家同士の戦いに置いてけぼりを食ったような気持ちになった方も多いことでしょう。
 だって、投票率を見れば、ねえ。でも、どんなにまだるっこしくても投票に行かないことには、びた一文、何も変わらないのは事実なわけで。
 大阪から東京へ引っ越した直後、3・11に出合い、これはこういう運命だったのかもと原発事故、その後の発表に果敢に取り組み、自ら調査、質問を自分たちの言葉で日々発信している夫婦漫才師おしどりさんは、この選挙にあたって半径5メートルの投票推進運動を始めました。気軽に大阪のおばちゃんの空気を漂わせ明るく「投票行かれました?」と聞けば、相手もいろんな反応。期日前でもう済ませたよ、とか、興味ないから、とか、これから行くの、とかいろいろあったそう。そんな私的活動のせいかどうか、御近所の投票率がとても高かったそうです。
 そうか、こういう質問だべり方式で広げていく方法があったのか、まずは身近なところから少しずつ地域投票率アップ競争をすればいいのね。Twitterで、おしどりマコさん(アコーディオン演奏する方)はつぶやきました。「次の選挙で、自分の地域の投票率勝負をしましょうぜ☆対戦者、松☆」
 ネット上で発言の多い方へ、リアルな動きを奨励するメッセージです。いろんなジャンルがその道のプロだけのものになってしまっては、その世界は痩せ細ります。直に目の前のお客さんを相手にして笑いの舞台で生きて来た方が、素朴な質問を手に大メディアに負けず劣らず活発に発信していくさまを見るにつけ、そうだよな、ジャンルの縛りで身動きできなくなったプロ政治家やプロメディアを揺り動かしていく芸能の民もいないとな、と思います。今回は、ネットの特性を生かしたUSTREAMで候補者の演説を見て聞くことができました。こんなことができる時代になるなんて。ますますジャンルシャッフル時代の到来です。
 前置きが長くなりました。  
 
 
 
 
 この夏、「清瀬つながり亭」と題して、マイク1本で舞台をつとめる4人が集まるのは2回目になります。政治にもコミット、芸能と二つの畑をいきつもどりつしてきた大先輩、永六輔さんをゲストに迎えて、松元ヒロさん、山田雅人さん、林家彦いちさんらが舞台に立ちます。
 松元ヒロさんは、もとはマラソンランナーからスポーツ推薦枠で大学入学、教師をめざし、パントマイムを志し、笑パーティーというお笑い3人グループを経て、ザ・ニュースペーパーを旗揚げし、のち独立して実際に起きたことから時事ネタも含めて独自のヒロメッセージを熱くトークするスタイルを確立。
 山田雅人さんは、大阪で若井はやとという漫才師に弟子入り、あの無鉄砲な漫才師横山やすしさんにもかわいがられたくらいの実直な性格。テレビドラマの活躍もありますが、野球、競馬ジャンルへのマニアックぶりときたら、その入れ込み用は半端じゃなく、子供の頃から切り抜いた野球選手、競馬の新聞記事スクラップ帳は数知れず。とにかく好きになったらとことん調べ現場へ出かけ、気がつけば話芸に昇華されていたというトーク。好きな芸人を、馬を、野球選手を、映画を語り尽くす「山田雅人、かたりの世界」を確立。
 林家彦いちさんは、新作落語の雄。松元ヒロさんと同じ鹿児島県出身なので一緒に「茶碗むしの歌」が歌えるよ。強面のわりに、初対面の方にもその笑顔ですんなり入り込み、なにげに起こった小さな事件を渦中にいながら観察、トークに昇華させる術を持つ。新作落語は、まことに奇妙な発想からなり、もともとSF好きだというのを知ったとき、大いにガッテン。普通なら見過ごしがちな「へん」を鋭く感知する彦いちセンサーにかかれば、沸々と世の中が面白く見えてくるから不思議です。
 この、出身ジャンルも喋り方もまるで違う3人が、それぞれに確立したトークスタイル三者三様。
 前回、永六輔さんは見事に3人の舞台を一言で言い表されました。
 訴える人松元ヒロ、語りの人山田雅人、しゃべる人林家彦いち、そして僕は話す人、と。
 プロの政治家さんも見に聞きにいらっしゃればいいと思うんだよね、ほんとに伝えたいメッセージがあるならば。従来の政治家トークのセオリーじゃない独自のスタイルをまず確立することからしかメッセージは届かない。Ustreamで見た、開票前夜の渋谷駅前、知名度のない三宅洋平さんの喋り、面白くて伝わったもんなあ。
 
 
<誘っていーもん度(100点満点で)>
メッセージって届けたい思いがあればきっと届くよね、とつぶやいた友達を 300
山田雅人さんを「渡る世間は鬼ばかり」でしか知らない人を 200
松元ヒロさんをヒロ松元と言い違え続けるおじさんを 120
林家彦いちさんを落語会や寄席でしか知らない人を 160
教師なんだけどもう少し面白い授業をしたいと悩む先生を 130
いつもたくさん喋っているのに、話を聞いてもらえないと愚痴る母さんを 200
 
●8/18(日)「清瀬つながり亭 その3」
松元ヒロ、山田雅人、林家彦いち、ゲスト:永六輔
14:00開演 4000円 清瀬けやきホール 電話042・493・4011
マイク1本。立つ。座る。
たった一人で しゃべり、話し、訴え、語る
たったそれだけのことなのに
泣いて笑ってつながって
たったの一言二言が
日々の心の糧になり
ゆるゆる歩いてその先へ
   
 
 
2013年06月17日(月曜日)
(その12)先代春風亭柳好大好きファンが年に一度集まって3回目!「四代目春風亭柳好トリビュート/柳好十八番」
 
 いつも原稿を書く時期の関係上、御紹介ライブがどうしても月の後半のライブばかりの御紹介になってしまうので、今回はあえて月初めの会を選んでみました。
 
 「お笑いタッグマッチ」と聞いて、懐かしい!という方はいったい何人くらいいらっしゃるでしょうか。柳昇さんがトロンボーンを吹いて飄々と開幕を告げ、二手に別れた落語家チームが話芸で対決する生テレビ番組でした。無理矢理なつくり話に互いにツッコミを入れ合い、応戦、防御、ボケをかまし合う馬鹿馬鹿しさに大笑い。たとえば「笑点」で言うなら、木久扇さんの役割を担当する落語家がたくさん出ていた番組、と言えばわかりが早いかなあ。ナンセンス話芸の応酬で気楽に見られる番組でした。
 
 みなでわあわあ言い合うのがふと途切れたときに、いい間でぼそっとつぶやき、その場の笑いをかっさらっていったのが、「川崎の」とか「魚屋の」とつけて呼ばれる、先代の春風亭柳好さんでした。車で言うと燃費がいい芸風。私は、これを見ていたころは大阪にいたのですが、母子ともにすっかり柳好さんのファンになっていました。(「笑点」で言うなら、談志司会のころの春風亭栄橋さんの位置かしら)  
 
写真提供:橘左近
 
 
 それから30年の月日が流れ、大野桂先生が三軒茶屋のビルの一室、畳敷きの部屋で柳好独演会を開かれました。新作落語や漫才の台本作家でもあり、演芸番組の構成もなさっていた大野桂先生は後に河童の研究にも熱心だった、洒落のわかる優しい方でした。友達と母を誘って出かけました。
 
 そこそこの入りでしたが、これがまた柳好さんにはぴたり合った趣で、独演会もさらっと終わり、エレベーターを降り、1階出口を出たところで我が母は感に堪えたように言いました。
 「至福のときだったわー」
 
 めったに二人で出かけることがなかったので、でしょ?でしょ?と嬉しくなっちゃった。
 
 後日、母から電話がかかってきました。
   「柳好さん、またどこかで見られるかしら?」
 
 今のようにネットもないし、体調がよくないこともあってか柳好さんは芸術協会所属をやめ、「東京かわら版」にも細かい出演情報は出てないような時代でした。
 
 「電話してみようかしら?電話番号わかる?」
 え!そんなミーハーなことは一度も言ったことのない母なのに。仕事がら、業界内でのみ入手できる冊子から調べて教えました。1週間後、テレビから柳好さん死亡のニュースが流れたかと思うと電話がかかってきました。
 
 「あれが最後になったわねえ。せっかくこれからもっと、と思ってたのにねえ…」
 
 で、さらに、確か1週間後に柳好さんのおかみさんが亡くなりました。
 
 人はたまたまいま持っている技で生きていくしかありません。芸人の場合、それを芸風と呼ぶのでしょう。恬淡とした高座は、無理がなく、気持ちのいい風が吹き抜けました。仏頂面から吐き出される間とリズムがなんとも可笑しく心地よかったのです。そんな愛想のない柳好芸が大好きな、落語家さんと主催者とスタッフとお客さんが集って、年に一度、催されているのが「柳好トリビュート」。
 
 
撮影:御堂義乗(前回の出演者/左から、草柳俊一(録音技師)、市馬、小柳枝、鯉昇、柳好、喜多八)
 
 柳好ファンはもちろんのこと、どんな落語家だったんだろう?と興味津々な若い方々も集まって、今まで2回開かれた会には、そりゃあ贅沢な空気と時間が流れておりました。
 
 四代目柳好十八番を弟子やフアン落語家が自分なりの味付けで演じたり、思い出を語り合う座談会もあり。ああいうセンスが好きな人どうしですもの、みな奥ゆかしくて。でも、柳好さんお決まりフレーズ「らーくごをやらしていただきます」をどの落語家がやるか、さてさて、ここにおいては楽屋で、侃々諤々、戦々恐々、かもねえ。
 
 
 
<誘っていーもん度(100点満点で)>
「笑点」よりどっちかって言うと「お笑いタッグマッチ」が好きだったというおじさんを 300
映画でも小説でも音楽でもB級好みの兄ちゃんを 150
ヨイショが苦手で、一人の行動が多い、そう言えばあまり喋ったことがない同僚を 120
眉毛の濃さにかけては、町内一番という町内会長を 160
落語にうるさい知ったかぶりの上司を  130
ごく親しい、趣味の合う友達を 200
 
●7/5(金)「四代目柳好トリビュート/柳好十八番」
春風亭小柳枝、昔昔亭桃太郎、瀧川鯉昇、柳亭市馬、当代:春風亭柳好
18:30開演 2階自由席2500円、1階指定席3000円 水天宮日本橋劇場
        03・5721・5335オフィスエムズ http://www.mixyose.jp/mix/
おっとその前に、落語協会副会長、柳亭市馬さんが初めて、三遊亭白鳥作の新作落語を語り降ろす!!!こんな会はどうでしょう?もちろん、白鳥さん新作落語に、市馬さんのあの三波春夫さん「俵星玄蕃」の歌い上げもございますよ!
●7/3(水)「柳亭市馬、三遊亭白鳥ふたり会 歌と落語でつづる、真夏の忠臣蔵ー俵星玄蕃のあとさきー」
19:00開演 なかのZERO小ホール/3600円/03・5785・0380夢空間
恐縮千万。恐惶謹言。
日本人のこころ、義の忠臣蔵を夏に聴いたらどうなるか。
あらたな外伝、銘々伝が始まるか。
ひょっとして こうもあったろうか ああもあったろうか 古典の味わい、新作の勢い。
か?か?か?づくしで雪をけたててサク、サク、サク、サク。
 
 
2013年05月20日(月曜日)
(その11)なにが起こるか、わくわくドキドキ、3人異世界融合「音+歌+映像+絵+紙切り/キンニラ+あこシアター」
 
   
 
あこさんの写真は橘蓮二さん撮影
   なーんか面白いことないかなあ、なーんか面白いことできないかなあ。そんなのが年に一度もあればいいって人も、半年に一度で充分って人も、3カ月に一度はって人も、3日に一度ないとさあ、って人もいるこの世です。
 アウェーという言葉はいつ頃から、普通に日本人の口から出るようになったんでしょうか。スポーツ分野、もしくは芸人さん分野からでしょうか。アウェーだから(真価を発揮できなかった、いつもならもっとうまくいくはずなのに)と、言い訳に使われる場合もあれば、アウェーだからこそ、日頃使わない筋肉を使って気合いを入れて、という場合にも使われますよね。
 たまたま手にした1997年発行の「新明解国語辞典」第五版には、「アウェー」は、なし。では、と電子辞書の中に入った岩波広辞苑第五版を見ると「アウェーゲーム:サッカーなどで、相手チームの本拠地で行う試合」とありました。日本語に訳すなら「場違い」が当てはまるのではないでしょうか。
 古来、場違いをテーマにした笑いはたくさんありました。有名なのには、植木等さんが場違いな場所に突如現れ、怪訝な顔する人たちを見回し、おもむろに「こりゃまた失礼」と言いながら、去り行くコントがありました。まわりに合わせることが常識とされている日本の風習を皮肉ってもいたのではないでしょうか。
 それはさておき、ここに御紹介するのは、アウェーなライブでございます。
 誰にとって、誰がアウェーかって? 誰にとってもアウェーなライブ。まず、キン・シオタニさんという方は、神奈川テレビではざっくばらんなレポーターさん、井の頭公園で長いタイトルをつけたポストカードを売るかと思えば、 NHKではイラストを描き、つい最近は、吉祥寺アトレ全体がキンさんのイラストで埋まるという事態に。
 また、落語家の立川志の吉さんとジョイントライブや結婚式に呼ばれて「なれそめ紙芝居」で場を盛り上げたりもいたします。イラストが教科書に載ったり、本屋さんのブックカバーになったりとユニークな展開。御本人は「僕は旅人なんだ」と自己紹介。お話ししていると、次から次へとアイデアが湧いて出て、汲めど尽きせぬ泉かな、と一句詠みたくなる、そんな人。数年前には、音楽に合わせて、その場でスピーディーに絵や文字を描いてクスッとさせたりホロッとさせる新ジャンルを作り上げ、その名も「ドローイング・シアター」と名付けました。
 一方、林家二楽(はやしやにらく)さんはと言えば、金髪ロッカーの時代を経て、紙切り芸人であったお父様の後を継ぎ、今では立派な紙切り芸人に。日本では数えるほどしかいない「紙切り」という芸を見ずに一生を終える人も多いのはいかにも残念。その場でお題をいただき、チョキチョキと紙を切ります。これは見ないとわからない。切られた紙が、プロジェクターを通してスクリーンに映し出されると、まあ、これはなんということでしょう、白と黒でくっきり現れる驚きの世界。思わず客席から溜息が漏れます。ハサミという鋭利な刃物によってスパッと切られる紙が、それとは裏腹に、ゆるやかに情緒ある抽象世界を見せてくれるのです。
   切る技術もさることながら、切りながらお客様を楽しませる話芸がたまりません。目は紙をみつめ、手はハサミを動かし、肌でお客様の呼吸を感じながら、口からテンポよく言葉を紡ぎ出し、退屈させないその話術。これを芸と言わずしてなんとしょう。その場で切り上げる即時性もさることながら、前もって用意した切り絵をあやるつ物語「二楽劇場」も、いやはや感動。もう、あなた、泣きますよ、笑いますよ。
 この二人に、アコーディオン弾き語りの遠峰あこさんが加わります。ある日、ふと友達のアコーディオンを借りて弾いてみたら、このアナログな楽器にすっかり魅了され、ついにアコーディオン抱えて、ストリートで歌うまでになりました。民謡からシャンソンからカンツオーネからオペラから童謡から、「焼売旅情」「ぼく、カッパ巻」というオリジナルまで、どこまでいくぞアコあこの道。
 この3人が一緒に舞台に立つのは初めてです。北沢タウンホールに立つのは、キン・シオタニさんにとって初でアウェー。キンさんと二楽さんが会うのも初でアウェー。そもそも、3人でこの舞台に立つこと自体がアウェー。そんな3人を見に来るお客様にとってもアウェー。こんな一期一会はめったにありません。
 ほら、思い出してみましょう。誰しも、お母さんのお腹の羊水の中で安心しきってぷかぷか浮かび、あるとき、この世に出て来たことを。あのときのアウェー感ったらなかったですよね。ん、覚えてない? 想像してみましょう。ドキドキワクワクは、あのときに比べたらかなわないけれど、同じ線上にある臨場感を味わえることでしょう。
 ぼく、きみ、あなたが目撃者。さあ、気軽にふいっと誘い合って参加してみましょ!
 ジャンルを持たない3人がそれぞれにアウェーな一夜、どんなお皿になるでしょう、味わうのは貴方とお友達。
 
 
<誘っていーもん度(100点満点で)>
スーパーで割引になった小松菜に一緒に手を伸ばして、一緒に引っ込めた人を 120
ジャンルは問わず、なんか音楽って楽しいから好き、というフリーな方を 150
井の頭公園でキンシオさんから怒濤のように語りかけられたという友を 180
横浜のストリートで歌うあこさんに投げ銭する常連を 250
寄席で「藤娘!」とお題を叫んで、作品をもらったことのあるおばちゃんを 160
笑う絵描きを  160
仮設住宅であこさんの唄に手拍子を打ち、また聴きたいなあとつぶやいてたあの方を 300
 
●2013/5/27(月) 「音+歌+映像+絵+紙切り/キンニラ+あこシアター」
開演:19時
会場:北沢タウンホール
料金:前売り、予約2500円、当日3000円
予約:03・5478・8006(北沢タウンホール)
お問い合わせ・予約:e+、カンフェティ、成城ホール窓口販売も
内容:アートの世界から、キン・シオタニさんが、寄席の世界から、林家二楽さんが、大道、居酒屋、ライブハウス小屋から、遠峰あこさんが、筆とハサミとアコーディオンを手に手に3人寄って、北沢に小宇宙、21世紀曲芸団。
 
 
2013年04月11日(木曜日)
(その10)下北沢ごっちゃボードヴイル「渦31」笑いのチャンネル切り替えて
 
人っていちどきにいろんなことを考えますよね。
何かを判断するときに、いろんなものさしを使いますよね。
こうも考えられる、ああも考えられるって。
笑いって、ものの見方じゃないでしょうかね?
そんないろんな思いようを手に入れたら、ちょっとは生きやすくなるんじゃないでしょうかね?
自分とは違う人を受け入れられるようになるんじゃないでしょうかね?
みんな事情があって生きている。
で、「渦」ってわけで。
小田急線の地下化に伴って、いま話題の下北沢駅から1分以内のところにある小空間で、なんか面白いことないかなと探してる方々が集う、まぜこぜライブ「渦」の季節が、またやってまいりました。
多方向の笑いをさぐる渦スタイル、どんどん広がれ~。
さらっと出演者を御紹介。
 
 
「ナギ渦」
 
ナギプロ・パーティ(ティーと伸ばさないので御注意)は、渦全体の中では若手の部類に入ります。
普段は演劇に携わってる方々が、オムニバス芝居で、コント風に笑わせてくれます。
演芸ファンからナギプロファンに流れてく方も多数。
今では、北沢タウンホールで公演を打つまでになりました。
リハーサル風景を演芸畑から見ていると、練習量、場当たり、音響、照明チェックの細かさは半端ない。
メンバーがよってたかって面白がりながら本をつくっていく喜びが伝わって来ます。
かっちりした芝居シーンもあるかと思えば、枠組みだけ決めて、舞台でアドリブ設定、それに伴う緊張感が笑いを誘います。
時折はさまるダンスシーンの嬉しそうなこと。踊らにゃソンソン♪
今回は「相馬ちゃんとゆかいな仲間たち」
ナギプロ常連メンバーである、チアガールもチンドンもする相馬佐江子さんを中心に、お笑い界から、演劇界から、コント界からおもしろ人が集結します。
代表凪沢渋次さんが、なにかにつけてみなをまとめる手腕は、優秀な庶務、営業、人事マンを思わせます。
こういう要があってこそパーティは滞りなく楽しく動いていくわけです。
 
「まぜ渦」
 
岡大介さんは、オリジナルソングもありますが、珍しい演歌を歌い継ぐ貴重な存在。添田唖蝉坊の演歌を土取利行立光学舎に尋ね教えを請うかと思えば、新宿末広亭近くの「ホルモン横町」前で、お客様から注文を受け、缶詰の缶でつくったカンカラ三線で流しも。巷の大切さを骨の髄まで知ってるシンガーソングライター。
仲八郎さんは、東京ボーイズのウクレレ担当、謎掛け問答を歌う人。
もとは3人のボーイズでしたが、アコーディオンを抱えたリーダー旭五郎さんが亡くなり、今は、三味線抱えたボケ担当の管六郎さんと二人で舞台をつとめています。
仲八郎さんは、一人の活動も多く、新作落語、映画トーク、物真似、など幅広く次々とジャンルを開拓。
自らプロデュースの落語会や催し物も多数。
藤木勇人さんは沖縄芸人。俳優としても「ちゅらさん」など多数の番組で活躍。沖縄人特有の敷居のなさは出色。誰でも会った瞬間から心を開いてしまいます。バリアーがない芸能の民、沖縄の地の匂い、風を感じてください。
山本光洋さんは、知る人ぞ知るパントマイムの達人。
最近では、演ずる繰り人形「チャーリー山本」が、「笑点」「今夜も生でさだまさし」で大評判となり、Twitterでは「あのあやつり人形をする人は一体だれ?!」「衝撃だ!!」「未だに頭から離れない、どうしてくれる!」「生でどこで見られるの?」と異常な盛り上がりを見せました。はい、ここ「渦」で見られますよー。
だるま食堂さんは、女性3人で結成26周年という豪の者。おばさんが繰り出すナンセンス、馬鹿馬鹿しさはたまりません。もと劇団を結成していただけあって、しっかりした台本、役割を演じて爆笑コント。
歌がまた小気味よく、ダンスだってやっちゃいます。おじさんおばさんが笑いを追求するとこうなるのだ!
女が仲間割れせず26年お笑いを続けるなんてちょっとやそっとでできることではありません。
 
「こぜ渦」
 
キン・シオタニさんは、卓袱台の前にスケッチブックを広げ絵や文字を描きます。それを家庭ビデオで撮影、バックの画面に写します。「ようこそ」の文字がそれぞれ人の顔になり、物語が始まるドローイングシアター。
スピーディーに走る筆で描かれた言葉に反応するお客様、コール&レスポンスで会場一体。
TVKの番組「キンシオ」では、一切構えない普段テンションレポーターとして登場、アトレ吉祥寺とアトレヴィ三鷹では開業3周年を記念した「3rd THANKS ANNIVERSARY FAIR」イベントとしてあちこちにキンさんイラストが展示され、またNHK「名作ホスピタル」でもキンさんイラスト見られます。
遠峰あこさんは、横浜生まれ横浜育ちの歌うアコーディオン弾き。民謡だって歌います。イラストも描きます。シュウマイ旅情だって、僕かっぱ巻の歌、だって歌います。そろそろJALの飛行機に乗ると彼女の声が聴こえてくるはずだよん。
上野茂都さんは、現代彫刻アーチストであり、大学の先生であり、歌う三味線弾き。その博学と音楽の実践には驚異な才能を発揮。自作の唄の深さ、優しさ、怖さ、ユーモア、底知れぬ力量。
今の世を愚痴る様子がこれまた可笑しくて、私しゃ吹き出すこと幾度ぞ。
たくまずして、御自分では意識せずして、笑いを誘うお方です。
伊藤夢葉さんは、ぼーっとしてるのがことのほか好きな手品師。
そのくせ、ほら、アレでビシッと驚かすんですよ。
ゆったりしているようで、よく聴いてると言葉数の多いこと。スピードあるのに、ゆったり見える、これは話芸の手品だな、きっと。
めおと楽団ジキジキさん。渦デビュー。ほんとの夫婦が一緒に舞台。はっきりしたカミサんとぼっーとした旦那が織りなす楽しい舞台。楽しくなければ舞台じゃない、を地でいくお二人。
歌ネタ王決定戦」に出場、1回戦通過の報あり。さて渦出演の時点で、決勝戦進出の御報告になるかどうか。
順調にすすめば、4/23赤坂ブリッツにて準決勝戦だそうでーす。
 
「喋り渦5」
 
林家彦いちさんは、TBSラジオ「久米宏のラジオなんですけど」でもおなじみ、アウトドアーな落語家さん。
鹿児島生まれ鹿児島育ちで自由な落語家像をめざします。
いまあったこと、こないだあったことを、すうっと聴かせて笑わせる。
一見強面の顔がニカッと笑うとすでにお客さんは彦いちしゃべりの手のひらに。
いつもは松元ヒロさん御出演の「喋り渦」ですが、ヒロさん、青森から長崎へお仕事まっしぐら。
今回は、モロさんに御出演をお願いすることになりました。
モロ師岡さんも、実は映画のロケとこの日が重なりそうになりひやひやものでありましたが、無事、御出演となりました。
コント師から今では俳優としても活躍中。
自主公演舞台では、コントに加えて最近はギター弾き語りにも挑んでいます。
このコーナーの合間にはさまる喋りがぐずらぐずら面白い。熟した感が漂うのです。喋りでは、渦デビューになります。
山田雅人さんは、「山田かたり」でスポーツ選手、芸人、映画、競馬を語って魅了します。
そのまっすぐな熱情は、まっすぐに響いて感動を与えてくれます。どうしても伝えたい思いが人の心を打つのです。
 
「ほぼオッサン渦」
 
春風亭百栄さんは、二つ目栄助時代に「百栄渦」でお世話になっていましたが、真打ちになってオッサンで登場です。
独特百栄世界中毒患者増殖中。中学時代から聴き込んだ落語にはまって、アメリカへ。どんなだ。
8年後、帰国して栄枝師匠に遅い入門。年下の兄弟子に仕え、年下の宴会に付き添い、変な前座として知れ渡る。
そのオリジナル世界で落語感がひっくり返される御用意はいいですか?
バロンさんは、渦初めての御出演。まさにボードビリアン、タップに音楽に軽いしゃべりに。
人に負担をかけないほわっとしたランプのような、とはお客様のなるほどの形容。寸止め感がたまりません。
ナオユキさんは、当初出演したときはダブルのスーツでしたー。酔っ払いの態でならなに喋ってもゆるされるやろと、今ではこんなスタイルに。もとはダックスープという名の漫才師、と言っても御存知の方はわずかかな。「R-1」ファイナリストにも選ばれた実力喋りをとくと御覧あれ。
今では、それこそ全国股にかけ、音楽ライブに出没、熱狂的なファンを掴んでいます。一度聴くと、ナオユキ思考になるから要注意。
さこ大介さんは、出演者の中で最年長。というのも還暦デビューのブルースシンガー。特にコミックソングを歌うわけではないのですが、「志ん生レゲエ」は必見です。渦御出演、二度目です。CD「微熱」は必聴です。
小銭用意してお越しくださいませませ。
ペーソスさんは、新成ペーソスになってます。司会担当スマイリー井原、ボーカルとハーモニカ担当島本慶に新たに加わったギター担当米内山尚人さんに、レギュラー入りしたサックス末井昭さん。
最近、ボーカルでもありイラストレイターでもありルポライターでもある島本慶さんは「黄昏親父の散歩道/東京湯巡り徘徊酒」(講談社)という本を出しました。都内の銭湯めぐって帰りに一杯やって本になる。こんな暮らしの極楽オッサンらの歌、聴いてみませんか?
 
「鉄渦9」
 
鉄道愛を語る3人ですでに9回目。もうネタがないと言いながら、出るわ、出るわ、鉄道ネタ。
古今亭駒次さんは、高座の上で新作鉄道落語をかけ、ダメじゃん小出さんは写真、映像を使ってなくなった鉄道への思慕を語り、寒空はだかさんは、僕はテッチャンではありませんと言いながら、かなりディープな鉄道話に。
好きなことを話す男子を見てるのが好きな女子が集まる会にもなってます。
深すぎず、浅すぎず、その案配を計りながら、謙虚でいながら傲慢に、その振れ幅が愉快です。
あ、いきすぎたかしら? と迷うゆる鉄男子の面白さ。
予断ですが、渦スタッフに隠れ鉄がいたことが、この会をやることによって噴出、ええ~!!な状況が、受付回りで確認されております。
発車時間を守るお客様、ドタキャンないのもさすが鉄渦のお客様、あっぱれでございます。
 
 
<誘っていーもん度(100点満点で)>
受験会場でたまたま隣り合って、笑いのセンスが合いそうと思った奴を 120
定年を迎えて、特に趣味もなく家にいっぱなしのお父さんを 150
同窓会で再会、昔、お笑い番組に一緒に出て準優勝した友を 300
カラオケにいくたびに「天気がよければ晴れだろう~」と歌う同僚を 115
ことあるごとに「そうなのか」と呟く黒門亭通い仲間を 160
貨物時刻表を大切に本棚の最上段に飾ってるお兄ちゃんを 160
近所の、いさかいの堪えない3姉妹の一番下の妹を 130
 
 
【渦31】2013年4月26日(金)~29日(月・祝)
黄金連休前半スケジュールはこれ!東京都内お楽しみ劇場。御旅行は、連休後半にじっくりと。下北ごっちゃボードビル、ジャンルシャッフル。誘っていーもんかどーか、まわり見渡し、あの人ならきっと喜んでくれる!とクンクンしながらお誘いを!
 
時 間 昼14:30開演、夜19:30開演(鉄渦は19:00開演)
開場は、開演30分前。受付開始は開演1時間前。
会 場 しもきた空間リバティ 03-3413-8420
(下北沢駅南口、マクドナルド左下下る、ABCマート4F)
料 金 3000円(4/26.27.「凪渦」は2500円)/自由席/予約者優先入場
当日受付開始は開演1時間前、開場は開演30分前
予 約 件名「渦31予約」で、uzumarishiro@icloud.com ★アドレス変更に御注意。
もしくは電話:03-5856-3200(渦産業)まで。公演名、日にち、お名前、枚数を明記、留守電吹き込みよろしく。
★随時、受付中。 ※急な出演者変更御容赦。
 
○「ナギ渦」(2公演) 26.金.夜 19:30開演、27.土.昼 14:30開演
 ナギプロ・パーティ『相馬ちゃんとゆかいな仲間たち』 作・演出:凪沢渋次 相馬佐江子、中澤功(サモ・アリナンズ)、しろたてるひさ、木下昌直、ザ・ギース(尾関高文・高佐一滋)、吉田ウーロン太(フラミンゴ)、足立信彦(順風男子)、岩原正典、堀晃大(3days) ほか?
○「まぜ夜渦」27.土.夜 19:30開演
 岡大介、仲八郎(東京ボーイズ)、藤木勇人、山本光洋、だるま食堂
○「こぜ昼渦」28.日.昼 14:30開演
 キン・シオタニ、遠峰あこ、上野茂都、伊藤夢葉、めおと楽団ジキジキ
○「喋り渦5」28日.夜 19:30開演
 林家彦いち、モロ師岡、山田雅人
○「ほぼオッサン渦」29月祝.昼 14:30開演
 春風亭百栄、バロン、ナオユキ、さこ大介、ペーソス
○「鉄渦9」29月祝.夜 19:00開演
 古今亭駒次、ダメじゃん小出、寒空はだか
 
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もくじ
(その19)お、そこから!?百栄落語と歯車合わせ、チャレンジのすすめ

(その18)ダメじゃん小出の鉄道大好き、トークは続くよどこまでも

(その17)「オオタスセリ☆台本劇場」のち、年末バラエティショーはいかが?

(その16)あなたと相性いい笑い見本市、笑って死ねりゃ本望さ。渦「32」

(その15)寄席へようこそ、「寄席演芸家名鑑」をたずさえて

(その14)落語世界を広げる、三遊亭円丈、白鳥、師弟の会

(その13)たった一人でマイク1本、4つのトークスタイル「清瀬つながり亭」

(その12)先代春風亭柳好大好きファンが年に一度集まって3回目!「四代目春風亭柳好トリビュート/柳好十八番」

(その11)なにが起こるか、わくわくドキドキ、3人異世界融合「音+歌+映像+絵+紙切り/キンニラ+あこシアター」

(その10)下北沢ごっちゃボードヴイル「渦31」笑いのチャンネル切り替えて
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