木村万里 Wrote



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【10月上旬 ★コネクト 舞台をパーソナルに楽しみます】
精力的に秋公演に通っています。
3日、三鷹星のホール「コネクト」。
ゲネ通し、客席関係者のみというのを見る初体験。
へえ。
笑いでこういうのってつらいもんですね。
お客緊張。
演芸だと、もちろんこんなのあるわけないから見たことないもの。
役者の立場や、本書きの立場や、演出の立場や、プロデユーサーの立場や、制作の立場や、
お客さんの立場や、
そのお客さんでもいろんなセンスの人の立場に立って見ていると、
頭の中は大忙し。
故林台本は、それでなくとも言葉をないがしろにできないので集中力を要する。
この「間」はどうした方がもっとよくなるだろうか、
これはいいな、
あの人がああ言ったからこちらの人の「間」がこうなったのね、
とか、
あの人にはこう言った方が本がより生きるか
でもそれはどういう言い方がいいのか
とか勝手に考えてしまって
もう、フル高速回転の脳の筋肉。
その合間に、今日は車だったけど、今度来るときはやっぱりバスが一番か、
宅配で来た3匹のサンマを食べおおさないと、
とか、
アパート更新の手続きを完了させなければ、
とか
ネタ見ながら思いつくものだから
疲れるのはあたりまえ。
都合、5日昼と2回見た。本番、お客ゆるむ。
ほんとはもっと見たかった。
舞台を見るというより、舞台を含めたお客との空間を見るのが楽しいのだ。

1 展示場
一つの場が
人によっていろんな場になりうるコント。
トポロジーですか、一言で言うと。
場の力って偉大だからねえ。
元古戦場は怖いよねえ。
NHKアーカイブス特集、戦争でジャングルで死んだ人の日記を読む番組を見たあとだったから
なおさら身に染みた、ってか。
「私の生前が汚されていく〜」
死んだ人の伝記を勝手に作って結論ずけてる番組や本を読むと、
本人はこういうつもりじゃなかったろうにねえ、と思うから、まさに。

2.うちとけない夫婦
ミヤベさんはあのあと、結構面白い人として生きていけたのじゃないか。
夫婦漫才でデビューとか。
乳母車の中にいた子供は、混乱した子に育ったか、
批判力のある覚めた目をもつ子に育ったか。
「その手にゃのらない」
今まさに、北の国と日本とアメリカは、心中ひそかに
そう探り合ってます。
腰の低い人は、むろん日本ね。

3.正直なロボット
「はじめまして、へーえ」ごっこが近隣ではやりそう。
三越のオウムに「タカシマヤ」と教えた春風亭梅橋の話を思い出した。
子供に、メロンのことを「またメロン」と教えた人の話も思い出した。
なぎら健壱が言ってたけど、古典的小話らしい。
クローンづくりに意欲的に取り組んでいる人類。
出産が、そのクローンづくりにあたるんじゃないの?
クローンの成功例が出産では?

4.ほらふき家族
宇宙へ飛び立つ日に備えて、筋力トレーニング。
まずは最初の一歩。
のちのちに実に変わった人生を歩むことになった、いっとき私の友達だった村木喜久代(のち改名)さんは
小学生のときに、お小遣いをためて
ベッドを買ったんだって。
その話を聞いたとき、
私はミルクのみ人形と自転車がほしかったのに、
人っていろいろと思ったものでした。
この人に最初に会った朝、
トーストを食べさせてくれて
「いっしょに行く?」
と言われてついていったらば
中野刑務所だった。
安保運動で東大安田講堂陥落の最後まで居残り抵抗を続けた彼が
中に入っていた。
いつもミルクを差し入れしてた。
で、出てきたら
入ったときよりかなり太ってた。
ミルクは栄養がある。
でも、運動しないと。
外へ出る日に備えてトレーニングする時間もなかったようでした。

5.ワル倶楽部
西高、フアイト!
こんだけ高校で社会のシュミレーションをしてしまうと
世の中へ出たらやることなくなる。
だからヤンキーは早めに結婚して子供つくっちゃうんだろな。
学生のうちは、学生をやってるのがいい。
お楽しみはあとにまわして。
寿命のびたから、ぼちぼちいかないと、早めに退屈がやってくるよ。
輪唱のおかしさって、なんなんでしょう?
嬉々として歌ってたなあ。

6.呼び出し三昧
「木村シマさ〜ん」
と動物病院で呼び出されたときは恥ずかしい。
今でも自分で自分を分析しきれないのは
連れてる猫を見たよその人から
「頭のよさそうな猫ですねえ」
とほめられて、とっても大きな声で
「いいええ・・・」
と即座に照れて反論してしまったときのこと。
なに考えてんだ私、とつっこんだ。

7.常識崇拝
もうこういうこと周りでありすぎ。
お笑い芸人に憧れて
無理して自堕落、自暴自棄になるんだけどぎこちないカタギの人。
落語家よりずっと落語家らしく振舞うカタギ人。
案外、きっちりした生活をしている芸人さん。
約束の時間に遅れないし、場所も間違わないし、
ちゃんと結婚して子供もいて
お家も買って、財産もきっちりあって、ファミリーな芸人さん。
だまされた、と思ったもの。
うまくだましてるという意味ではあっぱれ。
常識はずすには、常識知らないとはずせないわけだから
論理的にはあってる。
どのへんが社会だ?!
磔になった瘠せた男の人を崇拝するキリスト教の美学もわからない。
どう考えても飾りづらい。
弥勒菩薩の方が飾ってて気持ちいいし。

8.前任者
飲み屋のバイトで
おかきの盛り合わせ方を前任者から聞いて
そのとおりするんだけど
いつもチエックが入る。
毎回、微妙に盛り付けが変わる。
季節か、客層か、時間か、
その法則性を見破らなければ前進しないと
「今度っから、ママからOKが出た盛り付けを写真にとって研究しようか」
とバイト仲間に提案したら、拍手ものだった。
今なら、デジタルカメラで容易に実行にうつせたんだが。

9.女祭り
ヘンな祭りってあるよね。
ダンジリを引っ張り終わった子供には、お菓子くれるんだけど
ほしくなくて、でもほしそうにしないと配っている大人に悪いから
義理でほしそうにしたときは辛かったな。
ケーキを分けるときに、少しでも大きい方がほしいという顔をしないと
大人が納得しないような気がして無理して。
ほしくないわけよ、ケーキ。
子供も結構気を使ってるんだということをわかってほしい、
でも大人になったら忘れちゃうんだろうから
今のうちにこのことを日記に書いとかなくては
私がこの思い込みの連鎖を断ち切らないと、と
そんな思いで3歳から絵日記をつけていました。
今、読み返して、反省しなくてはなりません。



【9月下旬 ラジオの威力と中村晃子と月光仮面】

9月28日、
TBSラジオ「永六輔の土曜ワイド」に、
しもきた空間リバティを紹介するということで「乙女探検隊」コーナーに出演。
乙女、かあ。耳慣れない言葉ですね。
男が「ますらお」なら、女ははたしてどういう言葉で表現されるのでしょうか?
これがわかったら、国語、かなり優秀です。
答え。
たおやめ。
漢字では、手弱女と書きます。
どうです、知らなかったでしょう?
雨が降ったので自転車では行けず、傘をさしてリバティまで。
朝8時半に第一声が必要とのことなので、8時15分入り。
この時間、死んでいる下北。
朝帰りでしか知らない下北。
カラスがうるさい下北。
ライフサイクルとしては、熟睡している時間帯。
午前中は声が出ないので、そればかりが気になる。
やはり「浅田飴なめればよかったです」という軽口をたたけばいいのだろうかとか考える。
でも、固有名詞はあまり出さない方がいいのよね、こういうとき。
ひょっとしてスポンサーが変わっているとか、さしさわりがありそうなことは慎まないと。
放送対応の心得ね。
ちょうど前の晩は毎日新聞にて面白い顔合わせ。
政治部、学芸部、スポーツ部、社会部、支局の重要ポストに位置するメンバーが集まり、
中華食べながら楽しいことを語らう。
元オチケンだとか、落語「金明竹」「火焔太鼓」をやったことがあるとかカミングアウトが続く。
朝日と違ってざっくばらん感がいい。
少部数のよさか。
なにをたくらむか。
時期がきたらこのコーナーで一番早く発表しま〜す。
面白かったのは、出てくる料理が次々にハケルこと。
だいたい、打ち上げでもなんでも
目の前の料理が減らないで残るという場面に遭遇することが多いのに
この会では、みんなよく食べよくしゃべる。
記者だから、携帯のぞいては出てく人あり、戻る人あり。
バリバリ社会人スーツ姿。
いつも自由業ばかり見慣れている目に物珍しかった。
今年から、やっと毎日新聞にも演芸担当記者が決まり、たのもしい。
油井さんという人が取材に訪れたら、みなさん親切にしてね。
この人、その年でなんでそんなこと知ってるの?と驚くほど昔のテレビ番組をご存知。
早い時期のオタク?と感心。
「月光仮面」と「少年ジエット」で育った私ら団塊の世代。
子供時代、
チャンバラごっこや、ままごとで、誰か他人になりきって遊ぶ
「ごっこ遊び」はとてもじゃないけど恥ずかしくてできなかった私
(だから役者さんの気持ちが心底わからないのです)が唯一なりきった役柄は月光仮面。
母が台所で向こうを向いているすきに、首に風呂敷をくくりつけ、重ねた本の上から飛び降りて、月光仮面になったつもり。
(あ、放浪癖があったので三度笠にもなりきりました)
正義の味方が好きだった。
「どこの誰かは知らないけれど、誰もがみんな知っている」
というこの矛盾した月光仮面のテーマソングの歌詞。
どういうもんでしょう。
でも、なんかいいでしょう?
作詞川内康範。
そして驚くべきは、
発売になったばかりの「東京人11月号」の119ページ佐野史郎の文章によると、
月光仮面シリーズの音楽を担当していたのは、小川寛興さんで、
この人は
中村晃子が歌った「虹色の湖」!
を作曲した人でもあるのです。
この曲に「心を鷲づかみにされる衝動」を感じたと佐野史郎は書く。
そう、私もそう。
浮世離れした不良っぽさの中村晃子、
スタイリッシュな、
日本人離れした感覚、
どこか他の世界からやってきたような女性、
その中村晃子が歌うのは
「 幸せが住むという
虹色の湖・・・・・ 」
に始まり、
「 虹色の湖は
まぼろしの湖
ふるさとの思い出を
かみしめる私よ
帰るには遅すぎて
あの人も遠くて
泣きながら呼んでいる
まぼろしの湖  」
佐野史郎は書いている。
「つまりは、歌手その人自身に、何か、歌い手である以上に、
その人の世界観が浮かび上がってくるような衝動が感じられなければならないのだ。
と言って、アーティスト志向の歌い手であればいいということでもない。
意識された表現のスタイルはそれだけのこと」
こういうことを言わしめるほどに強烈に押し寄せる感情がこの歌にはみなぎっていました。
石畳に立つ彼女が表紙のシングルレコードを持っていました。
パンチのある歌いっぷり、虚無が漂っていて、歌いっぱなしのなげやりな調子。
一切フォローなし。
落ち込んでいるのじゃなくして、だってそんなもんでしょ、人生、という感じ。
こういうことが笑いのうちに表現できる女性お笑い人が現れれば最高にかっこいいのだけれど。
        ★   ★    ★
で、10月8日「元祖歌謡声帯模写白山雅一リサイタル、芸歴60周年記念」をリスナー用に宣伝したら、
なんと事務所に50〜60本の予約が入ったというからめでたい。
だって、この年代の人にとってはこたえられない会です。
司会がプロ中のプロの玉置宏さんでしょ、
白山さんを父と仰ぐ物真似師丸山おさむに落語家快楽亭ブラックでしょ、
松元ヒロが幕間に「今日のニュース」をやり、
生伴奏横森良造さんですから。
池袋芸術劇場小ホール。
19時〜。
前売り2500円。
前回は、知り合い誘ったら、満員御礼でお帰りいただいてほんと悪いことしました。
文庫評論でも有名な坪内さんが、
「木村万里さんからお知らせもらって、当日会場に行ったら入れなかった」
とどこかの雑誌に書いてらしたとか。
むずかしいよねえ、お客さんの動きを予測するのは。
さて、8日は私も受付におります。早めに御予約の上、お出かけください。
03−5286−0874落語芸術協会

 

TBSラジオ出演後、これを機に生活を朝型に変革しようと、
ようやく開店していた喫茶店でモーニングトーストなど食べて、プールで1キロ平泳ぎ。
30分の壁が越えられない。
で、帰って寝て、また結局、夜型から脱することできず。




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