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【8/29 ネンドル岡田ひとみミニチュアフーズ展 原宿】
フィシャルサイト:ひとみュータント

アイドルからなんとか脱皮しようと、粘土でミニサイズの食べ物を作り続ける岡田ひとみちゃん。
称して、ネンドル。
アイドルを職業として続けるには、ダイエットは基本中の基本。
食べ盛りの女の子にとって、ダイエットは大変な拷問。
ダイエットの苦しさを、ミニチュアフーズを制作することによってまぎらしたのだとか。
私自身は、食べたい、という欲求をあまり知らずに過ごしてきたので
その切実さは空言として、頭でしか理解できなかったのだけれど、
できあがった、パフェやケーキやパン、はては、そば、うどん、さんま、おでん、納豆、目刺し、など
シブい食品群にいたるまで、そこにこめられた精魂をここまで見せられると
その「食べたい」欲求はいかばかりかと推し量られた。
逼迫した欲望が、作品を作るエネルギーとなる例をまのあたりにした。
食欲は生きる基本。
ところで、いま、日本の子供の食欲ってどうなのでしょう?
なにがなんでも食べたいという素朴な体の欲求を持っている子供っているのかな?
徐々に少なくなっている気がするのだけれど。
体の欲求からではなく、精神の欲求から、ものを食べたいと感じている子の方が多いような気がするのだけれど。
お金に対してもそうだと思う。
気持の寂しさをまぎらわせるためにお金をほしがる子供が多いのではなかろうか。
食べると言ったって、人の体には限界があるから、
適度以上に食べれば気持悪くなるのと同じで
適度以上のお金を持つと居心地悪くなるのが正常な人間だと思うのだけれど。
もちろん、適度以下だと、えらく不安ですけどね。
老後のことは考えないようにしています。
そもそも、なんの才能も資格も肩書きも人脈も体力も一文もなく、
気持だけは冒険家のように意気揚々と単身で東京へやってきた身としては、
あのときよりは、まし、安全。
なんとかなるだろう、と楽観。
なんの根拠もないのだけれど。
だって、なんの実感もないのに、人から教えられただけで、地球がまわっていると信じられる人間の一人だもの。
引力という思い込みを信じて立ったり座ったりしているわけで。
毎日、思い込みで生きていけるわけでして。
そうそう、原宿。
スポンサーは味噌を作ってる会社。
そこで、展示場に隣接する小部屋で、子供にミニチュアフーズを作らせるイベントがありました。
私が行った日は、ちょうど初日。
味噌を使った食べ物で、子供達が作りやすいものと言えば・・と、課題は「味噌おにぎり」。
岡田ひとみちゃんが先生で、一つ一つ丁寧に教えます。
まずは、小さくちぎった白い粘土をまあるくこねます。
これを三角にするのに一苦労。
子供たちの小さい指先が苦心しているのがかわいいいやら面白いやら。
そこに茶色絵の具で味噌を塗りつけるのにも一苦労。
さっさと仕事を終え、つまらなさそうにしている子もあれば
5本の指を茶色にそめながらあちこちいじくりまわして自分が何をしてるのかわからなくなっている子、
そんな女子を尻目に
完璧な三角形をめざし続ける一人の男子。
面白かったのは、お母さんと子供の関係。
一つ一つ口やかましく手を出して、それじゃあまるであなたの作品でしょうと
ツッコミたくなるお母さん。
ぼうっとしてる子にかぎって、お母さんが口を出す、手を出す。
もうちょっと待ってやれば、子供のやる気が出るところなのに、とやるせない。
待てないお母さんがいっぱい。
育てる、というのは、待つことなのに。
待つことを学ぶために、子供を産むのではなかろうか。
かくして、待てないお母さんたちが
自分でなにかをやらない子供たちを作っていくのでは。
当座は、そこに母と子の蜜月が成立するのだけれど。
頼りにされたい親と
頼りにしたい子の
甘い関係。
うわあ、これ、何年後か、大変なことになるぞお、と
お世話にも考えた。
面白かったのは、味噌おにぎりとドーナツを作り終えた子供達が去ったテーブルの上。
兵士たちが去った後には、剣ならぬ筆や、銃ならぬ絵の具が散乱。
偶然を通り越した必然が素敵なレイアウトを置き去りにし、
巧まざるアートになっておりました。
子供も、ほっておく余裕があれば巧まざるアートになるんだろうけど。




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