木村万里 Wrote


 ■2004/3月上旬 
 ■2004/1月下旬 
 ■2004/1月上旬 
 ■2003/12月下旬
 ■2003/10月中旬
 ■2003/10月上旬2
 ■2003/10月上旬
 ■2003/9月下旬
 ■2003/8月下旬3
 ■2003/8月下旬2
 ■2003/8月下旬
 ■2003/8月上旬〜
       下旬
 ■2003/7月上旬
 ■2003/6月下旬2
 ■2003/1月下旬
 ■2003/1月上旬2の1
 ■2003/1月上旬
 ■2002/12月下旬
 ■2002/10月中旬〜
     12月上旬
 ■2002/10月中旬
 ■2002/10月上旬
 ■2002/9月下旬
 ■2002/9月中旬
 ■2002/7月下旬
 ■2002/7月下旬
 ■2002/7月中旬
 ■2002/7月上旬
 ■2002/6月下旬

 

 




【 『ね』尽くし、ねじと寝袋と猫 】

この夏いさんで導入した太陽熱よけ高級シェードの出番が少ない。
一方、雨よけとしての機能を遺憾なく発揮。
雨はシェードにお任せして
お盆のうちに、気になっていた部屋のあちこちを着々と更新、最適化。
キリとドライバーとねじとガムテープと段ボールを
駆使して夏の工作です。
釘と金槌と鋸で、近所に音を気にしいしいの作業は遠い昔になりました。
ねじ様々。
釘だと、まっすぐ打つには気持がまっすぐじゃないと。
ねじだと、多少曲がっていても大丈夫。
先日読んだ『ねじとねじ回し』(早川書房)。
この千年で最高の発明をめぐる物語、
ねじ山を制する者は世界を制する、
魅力的な惹句が見事に本の中心を言い当てている。
ねじ以前は、ものとものをくっつけるには、ナットとボルト。
それぞれが一組ごとに符合するように作られていたそうで、
職人は、何組ものナットとボルトを前に、正しいペアを探すのに
途方もない苦労を強いられていた。
出勤前のあわただしい、靴下のペア探しと同じ。
そこでモーズレーさんは考えた。
うちの工房では決まった種類のナットとボルトしか使わないことに
しようと。
俄然、作業能率が高まった。
同じ色と質と大きさの靴下だけにしたのと同じ。
これにヒントを得たのは徒弟のジョゼフ・ウィットワース。
1841年、ねじ山の大きさに国内統一規格の導入を提案。
こういうあたりまえのことが、後から効いてくる。
この21世紀。CD,DVDを焼くスタイルも早く一つの規格に
なってください。
著者ヴィトルト・リプチンスキは言います。
天才技師は、天才芸術家ほど世の中から理解されないし、よく知られてもいないが、両者が相似形をなす存在であることに間違いはない、と。
翻訳だから、まわりくどい言い方ですが、要するに、理科系も文化系よ、と。
フランスの蒸気機関のパイオニアE・M・バタイユもこう述べているそうな。
「発明とは、科学者の詩作ではないだろうか。あらゆる偉大な発見には詩的な思考の痕跡が認められる。詩人でなければ、なにかを作り出すことなどできないからだ」
機械の複雑な関係を直感的に理解する、才気ほとばしる発明家の心は、たしかに詩的である、と著者大いに納得。私も納得。
螺旋の食い込みを均等な幅で体に刻みつけ、
くいくい突き進み、
自動的に余分な屑を外へ吐き出していく、
ねじという機能。
これは確かに、詩の形。
さて
暮らしの最適化に対する私の欲望は何ヶ月か先の冬にまで及び
かねてから念願の布団格安セットクリーニングを思いつく。
布団は秋までありません。
そこへ、予想を裏切るこの寒さ。
布団がいらないはずの夏なのに。
オーバー着用で寝ようか。
ストーブ出そうか。
暖房つけるか。
こんなときに、あれ。
寝袋の出番です。
夏の蓑虫にヘンシーン。
一生一つの毛皮寝袋で過ごす猫は、たとえばこんな感じでしょうか。




Copyright (C) 2003 marishiro

 

 

 

inserted by FC2 system