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笑いの12段活用
あちこち原稿
 毎月最終水曜日毎日新聞夕刊掲載

刊笑いに生アクセス NO.40 2007/8/29
毎日新聞夕刊掲載 ネット版

「東京タワーの歌」寒空はだか

 横浜、大阪、台北、ドバイ、上海、とタワーノッポ競争が続いているが、
「タワータワー、東京タワーにのぼっタワー、東京がぜんぶ見えタワー、売店でおみやげ買っタワー、東京タワー、よかっタワー」と、目には見えない打楽器演奏のしぐさ入りで、昭和のシンボルになった東京タワーの歌を歌っているのは、寒空はだか。
 キャッチフレーズ「一億人のハナ歌をめざす」は誇張でもなんでもなく、一度聞いたが最後、単純なフレーズ、シンプルな音階があなたの頭にしっかと巣くい、いつしか口ずさむ自分を発見することでしょう。
 昭和30年代、近所の家の前に立ち「あーそびーましょー」と声をはりあげ、遊びのアイデアが浮かんだら「この指と〜まれ〜」と人差し指を立てた、そんな習慣が子供に伝承されていた時代。
 予定と予定の間に隙間がたくさんあった時代。
 そうだ、「東京タワーの歌」は、あのころを思い出させる俗謡だ。
 かと言って、寒空はだかライブはノスタルジックを売り物にしているわけではない。
 また、インパクトの強いふざけた名前から連想されるベタ笑いが中心なわけでもない。
 音楽、映画、演芸、演劇、アニメ、政治経済、ありとあらゆるジャンル、事件に寒空流の串を通し、半分はだかにする技術屋さん。
 物真似も駆使しながら、搦め手でニュースに迫り笑顔で毒舌、言いっ放しのようでいてさりげなくフォローを効かせ、次の瞬間にはひらりと身をかわしナンセンスやロマンチックへ。五条の橋の牛若丸か。
振り落とされまいとお客の頭の中はフル回転で前のめりに、ときに緊張、ときに弛緩、油断した隙に聴きやすい声とたしかな音程で真面目に歌を聴かせてしまう。サッチモでジャズふうに歌う君が代、パソコン用語プロバイダーを題材にした歌、知りあいの会社村田スプリングの社歌、いとしこいしの漫才、ラテン小噺、ときにはお客と融和し、突き放し、拍手をもらいすぎると不機嫌になる、とこうあげたってなにがなんだかわからない。
終わってみれば、軽いしびれが残ります。 
決して大向こうを唸らせない芸風が功を奏して、去年から始めた「カラフルロスタイムショー」では、ミュージシャンや落語家をゲストに迎え、司会業まで見事にこなします。
人数の少ない客席をさして「まるでカシオペア座のよう、あちらにぽつん、こちらにぽつん」というフレーズが、近頃満員になって聞けなくなったのはちと残念だが、暑いうちに寒空はだか体験はいかがでしょ。
■寒空はだか情報■
「寒空はだかカラフルロスタイムショーvol.6」9月23日、ゲスト あがた森魚、清水ミチコ、六本木SUPERDELUXE (千代田区)
問:info@zabutontei.com フアクス055-261-2105 http://www.zabutontei.com
「絹16 ぎゅっと渦」9月19日20日25日26.日 日替わり出演 春風亭栄助、上野茂都、だるま食堂、U字工事、柳家紫文、松元ヒロ、寒空はだか、清水宏、THE GEESE、ヨージ、好田タクト、オオタスセリ、ナギプロ・パーティー、山本光洋、キン・シオタニ、マルソ太郎、 03-5856-3200絹産業

 
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