07/11/22.木 銀座博品館劇場
「直木賞受賞作・松井今朝子著作『吉原手引草』を読む」
不二才
いや〜〜〜、とても引き付けられる舞台でした。
まずは、原作の素晴らしさが推測される、とてもよく出来た台本だと思います。
三林京子さんは、さすがに役者らしく、役の演じわけが明確だったと思います。
引き手茶屋の内儀、遣手婆、そして男役の女衒等。
違いがきっちり表現されていました。
特に女衒役は、役の人間の大きさが表現されていて、「さすが」と思いながら観ていました。
談春さんは江戸言葉の軽みが、気持ち良かったです。
特に幇間はお手のものでしょう。はまり役でした。
ただ、役の演じ分けでは、少々はっきりしないところがありました。
指きり屋は女役、また、札差はお大尽。どの役も、幇間のような、普通の町人のような感じがありました。
札差は、今の時代に生きる僕には、その力の大きさは実感できませんが、今で言えば大銀行の頭取の感じでしょうか。そういう重みは感じられませんでした。役の違いが際立てば、更に良かったと思います。
吉原が舞台の朗読を観て、随分前に観た、小沢昭一さんの「唐来参和」を思い出しました。
それはまさに入神の演技でした。
今回のお二人の演技が更に練られて、再度上演されることを希望します。
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