05/06/18土曜 上野・鈴本演芸場中席夜の部 三遊亭白鳥主任
ひらりん
白鳥サイトのトリネタ一覧をみて、一番興味のあった「砂漠のバー止まり木」の日へ。
白鳥新作では、こういう壮大なタイトルの噺がお気に入り。
「隣の町は戦場だった」で、新潟の雪原からイラクの砂漠へ連れて行かれたり、
「はらぺこ奇談」の人を食う屋敷とか、白鳥脳を覗きたくなるような、落語会のプログラムに独特な雰囲気の漂わせる噺。
客席は8−9割の入り。三味線の白鳥の湖出囃子にのって、黒紋付に山吹色の袴で颯爽と登場。
トリお目当ての人が多そう。
土曜だし、最後なので偉い人もいない、私の新作の中でも一番訳の分からない噺を、というので期待が高まる。
「男性なら皆そうだと思うんですが・・」という色々なエピソードに、おじさん達は椅子からずり落ちて笑い、おばさんお姉さんは、しょうがないわねえ、と笑う。
白鳥さんがうちの子の保育園の父兄だったら、他の親が、生真面目な保母さんに怒られなくて済むのに、とは、友人の弁。
そして、5月のシルクロードの旅、入ったら出られないタクラマカン砂漠のエピソード、もてない男のパワーのマクラから、本編へ。
親指人形劇の部員、藤田君が、大学のマドンナ、ケイコちゃんにホッケを投げつけられて振られたと思い、後輩に一服盛って、タクラマカン砂漠へ連れていくという冒険物語。
池袋・上野から、砂漠の壮大な風景、そこに出現する江戸っ子な食堂、
お洒落なバー「止まり木」へと展開。
砂漠で見つかる魚の化石は、過去にそこが海だった証拠だとされるけど、必ずしも真実ではないのでは?という凄い結論へと向かう。
地下のバーに入ると、場内真っ暗になり、高座だけがライトに浮かぶという凝った演出もあり。
白鳥さんの雰囲気からは想像もつかない(失礼)、導入部の細部までが後半に出てくる緻密さ、振られるシーンで叫ぶ主人公はリアリティに溢れ、砂漠の奇妙な空間も、無理やりに感じられないのは、白鳥さんの頭が異次元ねじれ空間だから?
宇宙へ飛ぶSF噺も聴いてみたい。
月にも砂漠あるし、ウサギもいるし。
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