2004/9/9 R's ART COURT 「松元ヒロソロライブ」
shou_chong
4日間、5公演行われたライブのうち初日を拝見。
ヒロさんのライブに行くと、お客はとても忙しい。
泣き、笑い、一緒に憤り、頷き、感心し、そして郷愁にかられたりする。
そしてどのネタにもヒロさんの温かいお人柄を感じ、お客は幸福感に満たされながら家路に着く。
ヒロさんはまっとうな意見を世の流れに屈することなく主張する。
ただし、声高に主張するのではない。
ご自分の考えを笑いという形で示される。
そのほうがやみくもに言葉を並べ立てるより、何千倍も、何万倍も、力を持ち、的を射た鋭い批判になる。
ペンは剣よりも強し、という言葉があるけれど、笑いもペンに負けない強さがあるのではないか、ヒロさんのライブを見ているとそう思う。
以下、いくつかのネタについての感想。(タイトルは私が勝手につけたもの)
○ 言語新使用法講座
大半の人が意味を間違えて使っていた表現が新聞に紹介されたが、「ほとんどの人がこの意味だと思って使っているのなら、そのほうが正しいのではないの?」というヒロさんの息子さん。確かに言葉は生き物だから時の流れと共に、形も意味も変わっていくものだ。「ヤバイ」や「微妙」も年代によって使用法が違う。そこでヒロさんが今風の使い方などについて面白おかしくレッスン。「Repeat
after me.」と言われたけれど、私は今風の「ヤバイ」は使いこなせないなあ。
○ さる高貴なご一家について
具体的な名前をあげなくとも誰のことを話しているかはわかる仕組み。パントマイムでスライド写真を見せて、お一人お一人についてコメント。手をたたいて笑っていたら、「今拍手をした人は共犯者ですよ」と言われる。ヒロさんの共犯者なら光栄です。
「こういうときパントマイムはいいですね。証拠が残りませんから」とも。
○ ネルソンさんの話
戦争というと被害を受けることばかりに焦点があてられがちだけれど、加害者にもなりうるのだ。べトナム戦争当時兵士だったネルソンさんの言葉はとても重みがある。国民を否応なく被害者にも加害者にもさせてしまう国家ってなんだろう、と考えてしまう。
○ 松元少年の冒険
少年時代の家出の思い出。家出と言っても子供のヒロさんがそう感じているだけで、まわりの大人はちょっと帰りが遅かったくらいにしか思っていなかったのだが。本人にとっては大冒険なんだな。貯金箱のお金を持って、(でも底にゴムのフタがついているタイプで中身をすぐに取り出せるから、あまり貯まっていない)自転車に乗って家出という発想がかわいい。近所の駄菓子やさんで食料となるお菓子を調達。手裏剣のような武器を手作りしたり、線路に大きな石を置いて列車が通るときに火花が散るのを見ようとしたり、高いところに登って遠くの景色を眺めたり、夕日が海に沈むところを見つめていたり、暗闇の中、人気(ひとけ)のない知らない道を進んでいったり、ドキドキすることがいっぱい。男の子の冒険だけど、性別に関係なくなつかしさを感じさせてくれるお話。映画「Stand
by me」をふと思い出す。
ほかにも珠玉のネタがいっぱい。次回も楽しみなヒロさんのライブでした。
top |