●2017/6/20.火 下北沢シアター711
「ウォーキング・スタッフプロデュース/怪人21面相/
演出・和田憲明、脚本・野木萌葱」
世間を震撼させた戦後史に残る犯罪を濃密な四人の男によるセリフ劇に仕立て上げた。
元公安刑事白砂(俵木藤汰)、元KCIA工作員で白砂に命を救われた幸村(木内秀信)、新聞記者(小林大介)、江崎グリコ役員蓮見(石田佳央)。
四人はそれぞれの生い立ち職場に復讐するために「グリコ・森永事件」を企てる。犯罪はやがて警察との対決、日本を巻き込む壮大な事件に広がっていく。劇場型犯罪の裏で四人がシナリオを描く。その過程の心理劇、人間のぶつかり合いがリアルで見せる。俵木の終始沈着冷静な芝居は実に達者だった。2時間10分、破綻なく一気に押しきる緊張感。
犯罪の現場に立ち会えたようなスリルがあった。和田、野木のタッグは侮れない。
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